「光る君へ」倫子と道長に“幻”のシーン!黒木華が柄本佑と再びの夫婦役で「通じ合った瞬間」
そんな倫子の心中について黒木は「悲しいんじゃないですかね。倫子は夫の愛情が欲しかったとは思います。だからこそ、夫が目指す道に向かって、何か自分にできることはないかと一緒に一生懸命やってきたわけで。それに伴い家族ができて、 母としての役目もあった。だからこそ、殿と二人の時間を過ごしたいと思ったんでしょうけど、かわされてしまうんですよね。しょうがないですよね。しょうがないとは思っているけど……」と割り切れないものがある様子だ。
なお、柄本と共演した映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』でも、くしくも黒木演じる主人公が柄本演じる夫に浮気される設定だった。黒木は「浮気されがちですね」と笑いながら、2度目の夫婦役共演をこう振り返る。
「佑さんはすごくお上手な方ですし、空気を作るのがうまい方なのでやりやすいです。『先生~』の佑さんはどちらかというと情けない役柄でしたけど、道長はちょっと怖いところがあるといいますか。父親(兼家)の血を引いているというか、権力者としての道を行く怖さ、冷酷さがあって。一方で、まひろといる時の三郎(道長の幼少期の名)のような童心に帰ったり、一筋に人を思ったりする表現も。いろいろな佑さんが見られて面白いなって思いますし、素敵だと思います」
「光る君へ」には、そんな信頼を築いている二人だからこそ生まれたシーンがあったという。長年、帝に遠ざけられていた娘の中宮・彰子が念願の子を身ごもり、道長が倫子に吉報を知らせに走るシーンで、黒木は柄本との共演シーンの中でとりわけ印象に残っているとも話す。
「残念ながら本編ではカットされましたが、彰子に子供ができたと伝えに来てくださる時は、自然と二人で涙を流しながら抱き合ったりとか。倫子と道長の空気感だからこそできることだったんじゃないかと思います。映ってはいないけれど、そういうところがあったから、妻として自分にできることがあればと耐えられていた気がします。夫婦の一つのゴールを成し遂げられたんだという二人の思いが通じ合った瞬間だと思ったので、倫子としても、私としてもすごく印象的でした」