V4駒大が出雲に続いて1区からトップの“完全優勝”藤田敦史監督「箱根も全力で取りにいく」/全日本大学駅伝
◇第55回全日本大学駅伝(11月5日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 2023年全日本大学駅伝の総合成績&区間賞一覧をチェック! 大学駅伝日本一を決める全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間09分00秒で同校にとって2度目の4連覇を達成した。出雲駅伝に続いて1区区間賞から一度もトップを譲らぬ完全優勝で、史上初の2年連続大学駅伝3冠にあと一つと迫った。 当日変更で3区が小山翔也(1年)から篠原倖太朗(3年)に、さらに6区は万全ではない花尾恭輔(4年)から安原太陽(4年)となった。そうしたなか、赤津勇進(4年)が好スタートを切る。「他のメンバーは自分より速い人ばかり」と言い、自分がしっかり走れば「優勝を確信」と仲間への信頼を込めて走り、早大・間瀬田純平(2年)との競り合いを制して区間賞を獲得した。21年出雲駅伝以来の駅伝で、その時は5区区間10位と悔しさを味わっていただけに、リベンジを果たした。 圧巻だったのが2区の佐藤圭汰(2年)。「出雲では同タイムでの区間賞で悔しかったので、絶対に後ろとの差を広げたかった」と、はラップを刻み、31分01秒の区間新で独走態勢を築いた。これには大八木弘明総監督も“MVP”に挙げた。 3~5区に入った篠原倖太朗(3年)、赤星雄斗(4年)、伊藤蒼唯(2年)が区間2位。赤星は「自分の走りをすれば良い位置で渡せると思っていた」と言うように、後続との差は広がるばかり。出雲で4区区間3位と力走していた伊藤は「(後ろと)差があったので出雲より落ち着いて走れました」。先頭を行く強みで、淡々とレースを進める。 6区の安原太陽(4年)は区間賞。主将の鈴木芽吹(4年)も力強く走り区間3位でアンカーの山川拓馬(2年)にタスキをつないだ。藤田敦史監督が「自信がある」と送り出した山川は、「箱根駅伝の5区はありますが、初のアンカー。距離も最長区間できつかった」と言うものの区間2位に41秒もの差をつける58分10秒の区間賞で締めくくった。 就任1年目で2冠を獲得した藤田監督。暑さもあり「気象条件は厳しい駅伝でした」というが、「その中で一人ひとりが役割を果たしてくれた。他校に隙を与えなかったのが評価できます」と手放しで称える。史上初の2年連続3冠という偉業に向けて、「3冠というとプレッシャーになるので一つひとつ。箱根駅伝も一丸となって全力で取りにいきたい」と気を引き締めていた。 ここに今回出場しなかった花尾や白鳥哲汰、唐澤拓海といった4年生らが復調すれば、まさに“ドリームチーム”が完成しそう。ライバル校も畏敬の念を持つほどの強さを身につけた令和の常勝軍団・駒大。3冠に死角はなしか。
月陸編集部