選挙中のテロ発生、容疑者に兆候も…なぜ再び許してしまったのか 悲しむべき法政大前総長の「高市氏は安倍氏の女装」発言
長年かけて実現した普通選挙を揺るがしかねない2つの出来事だが、「一票の重み」を改めて考え直す機会にするべきだ。
各党や候補者が衆院選で、重点的に訴える政策も気にかかる。
石破茂首相が今回のテロについて、「民主主義が暴力に屈することは絶対にあってはならない」と述べるなど、与野党は一斉に非難した。
加えて、緊迫する中東情勢や、首都圏で相次ぎ、多くの人々を不安にさせている強盗事件への言及が少ないのではないか。いずれも暴力によって人々の命が危険にさらされている。政治資金の不記載問題だけでなく、国際社会や日本社会の安全実現のため、何をすべきかについて建設的な議論を戦わせてほしい。
■岩田明子(いわた・あきこ) ジャーナリスト・千葉大学客員教授、中京大学客員教授。千葉県出身。東大法学部を卒業後、1996年にNHKに入局。岡山放送局で事件担当。2000年から報道局政治部記者を経て解説主幹。永田町や霞が関、国際会議、首脳会談を20年以上取材。22年7月にNHKを早期退職し、テレビやラジオでニュース解説などを担当する。月刊誌などへの寄稿も多い。著書に『安倍晋三実録』(文芸春秋)。