中東の富豪に愛される日産「パトロール」。日本生まれの最強SUVはアブダビで進化を続けていた
トヨタ「ランドクルーザー300」の納車が数年先なんて言われ、では中古車で我慢しようかと見れば新車より高い、いわゆるプレミア相場。 ▶︎すべての写真を見る 一体どーすりゃいいのさ、昔なら日産「サファリ」があったなあ……と思っていたら、サファリの末裔である日産「パトロール」の新型がアブダビでデビューした。
実は歴史ある7代目パトロール
かつてランクルと競い合っていたサファリは、市場の縮小に伴い2007年に日本から撤退。以降は中東やアメリカで子孫が活躍している。 日産の新型パトロールは、ランクルと同じく、世界中の人々に悪路を渡りきれる安心感を与えるメイド・イン・ジャパンの車なのだ。
サファリの末裔、と書いたが実はパトロールのほうが先に生まれている。トヨタ ジープBJ型(ランクルの祖)らとともに警察予備隊(後の自衛隊)に採用されるべく開発されたが、ご存知の通り、その座を射止めたのは三菱ジープ。 代わりにパトロールは警察や消防などに採用され、やがて中東やアメリカ、オーストラリアなどにも販路を広げていく。
そして1980年に誕生した3代目パトロールが、日本ではサファリとしてデビューすることになる。ちょうどランクル60が登場した年だ。
その後サファリは3代続き、2007年に販売を終了。一方、海外で展開されているパトロールは2010年に6代目へと切り替わり、冒頭の通り、約14年ぶりのフルモデルチェンジで7代目となった。
砂漠も快適に渡れる、走行モードに赤外線センサー
今や中東でサファリは、未踏地を探索するための車ではなく、オイルマネーで豊かになった人たちのための、砂漠のアドベンチャーマシンだ。 当然、中東の砂漠で楽しまれているデザートサファリ(砂漠ツアー)に、これまでもランクルとともに採用されてきた。タフな四輪駆動能力は、砂漠の人々からも折り紙付きというわけだ。 加えて新型では車両の真下を透過してみるような機能や、「砂地」を含む6つのドライブモードを搭載。砂漠の中に施設された立派な舗装路を走る際には、同社の先進運転支援機能「プロパイロット」が一定の速度で、道からはみ出ることなく安全に目的地まで案内してくれる。