奥歯失うと認知症リスク増 奥歯を守るみがき方 3つのコツ
■奥歯失う「歯周病」、なぜ高齢になると歯がなくなる?
一般的に、高齢になると歯が少なくなります。失いやすい歯は、奥歯です。 原因として最も多いのが『歯周病』、次に多いのが『むし歯』となっています。 歯周病は、1ミリグラムに10億個を超える細菌がいる歯垢(プラーク)や、歯石に細菌が生息して、歯茎が炎症し、歯を支える骨が溶ける病気です。 日本では、15歳以上の人の約50%が歯周病になっていると言われています。 炎症が起こると、歯と歯茎の境目にできる溝「歯周ポケット」が深くなります。この歯周ポケットの深さが6ミリ以上だと、重度の歯周病『歯槽膿漏(のうろう)』です。 なぜ歯周病になってしまうのでしょうか。 東北大学大学院の菅野太郎教授によると、 ●口の中に興味がない。そうすると、ケアを怠り放置することになります。 ●歯の汚れは蓄積されていきます。 ●その結果、歯周病になります。 菅野教授です。 「歯周病は生活習慣病。治療だけで改善しないので、毎日の口腔ケアが大事」だということです。 歯周病が進行すると、歯周病菌や毒素が血液を経由し全身へ流れ、疾患を引き起こします。 歯周病によって起こる病気は、 ●アルツハイマー型認知症 ●心筋梗塞 ●動脈硬化 ●脳梗塞 などです。 高齢者が歯を失う原因は他にもあります。 長年持病の薬を服用していると、副作用で口内乾燥が起こることがあり、唾液量が減って、歯周病や虫歯のリスクが上がります。 加齢により歯茎が下がることでも、虫歯のリスクが上がります。
■実演 歯みがき攻略法 “奥歯を守る”ポイントは
奥歯を守るには、歯みがきです。 奥歯を守るポイントが2つあります。1つ目が『歯ブラシの選び方』、2つ目が『適切なみがき方』です。 まず、歯ブラシの選び方です。ブラシの部分が小さく小回りが利いて、ブラシの根本の部分が薄いものがおすすめです。 基本のみがき方です。 これは、奥歯に限らずですが、歯の表面、歯と歯茎の境目、歯と歯の間それぞれに、毛先をきちんとあてます。 歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力でみがきます。 歯ブラシは、“鉛筆持ち”がいいです。 5ミリから10ミリぐらいの幅で小刻みに動かします。 そして、奥歯のみがき方です。 (1)頬っぺた側の奥歯 口を閉じ気味にします。 「い」の唇になるよう、歯ブラシの柄で口角を軽く引っ張るようにすると、歯ブラシが奥歯まで届きやすくなります。 (2)舌側の奥歯 歯の並びと平行になるように歯ブラシを入れます。 (3)奥の歯の奥の部分 〇のついているところです(画像)。 ここは、歯ブラシの先端部分の毛先を使ってみがきます。 玉川さんは、歯をしっかりみがいています。歯と歯の間には、フロス。そして、奥歯の奥にテーパードタフトブラシ、テーパードハブラシ。 九州大学大学院の鮎川教授がおすすめする、歯周ポケットにいいのが、ペリオブラシです。 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月18日放送分より)
テレビ朝日