【日本ゴルフ協会創立100周年の記念大会】第89回日本オープンが東京ゴルフ倶楽部で開幕! 注目ホールを久保谷健一プロに聞いた
日本ゴルフ協会(JGA)創立100周年を迎えた今年、記念大会として東京ゴルフ倶楽部で8回目となる日本オープンが開催される。過去、いくつもの名勝負を生み出した同コースは、2018年にギル・ハンスによって大幅改修が施されたが、その後、初めてのナショナルオープン開催となる。日本最高峰の舞台で、どんなプレーやドラマが生まれるのか。本日発売の2024年10月22日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、同コースで研修生時代を過ごし、2012年の日本オープンを制した久保谷健一プロにコースと注目選手を紹介 !
舞台は日本人の手による日本最古のゴルフ倶楽部
1913年に東京の駒沢で誕生した東京ゴルフ倶楽部。埼玉の朝霞を経て、現在の場所に移ったのは1940年のこと。大谷光明が設計を担当した。戦後、時代に合わせて改造や改築が繰り返され、2018年にギル・ハンスによって大幅改修がなされ、多くの木を伐採。深いバンカーやアンジュレーションのあるグリーンなどの伝統は守りつつも、現代風なコースへと仕上げられた。日本オープンの開催は歴代最多となる8回目となるが、18年の改修後は今回が初開催となる。
解説/久保谷健一
明治大学卒業後に東京ゴルフ倶楽部に入社して研修生に。 2度目の挑戦となった1995年のプロテストで合格。2002年日本プロゴルフ選手権でメジャー初優勝。2011年日本オープンはプレーオフの末敗れたが、翌年リベンジに成功して日本オープンのタイトルを獲得。通算7勝。
勝敗のカギを握る16番「2~3打差ならこのホールで順位はすぐに入れ替わる」(久保谷健一)
朝霞と知々夫の2グリーンを持つ東京ゴルフ倶楽部。今回の日本オープンでは主に朝霞グリーンが使用されるが、3番・6番・11番・16番・18番は知々夫グリーンを、2番と14番に限っては日によって朝霞グリーンと知々夫グリーンを入れ替えて使用。また通常はパー5の3番と15番をパー4として使用。どちらも540ヤードを超える距離の長いパー4となる。 16番・456Y・パー4/1打目から最後のパッティングまで気を抜けない、今大会の最難ホール。このホールをいかに攻略するかで、順位が大きく変わってくる 「ワンウェイで行われる日本オープンで、どの選手もその日の終盤に迎えるホールです。ティーショットでは左右のバンカーがコースを狭く見せてプレッシャーをかけてくるし、セカンドもグリーンも難しい。パーを取るのもやっとなので、ボギーならOKという気持ちで挑みたいホールです。ただ、日程が進むにつれて、それぞれの選手が置かれている状況が違ってくると、『守らなきゃ』とか『攻めなきゃ』など、焦りなどが生まれてくる。通常でも3人に1人はボギーを打つ可能性があるホールですが、ひとつのミスが大きなケガに繋がる。最終日、ここまでに3打差をつけて首位に立っても安全圏とは言えないし、最後までドラマが起きるキーホールだと思います」(久保谷) 2018年の改修の際にはコースの約1/5の樹木を伐採。上に空間ができたことで現代ゴルフに求められる飛距離がアドバンテージになるなど、雰囲気がガラリと変わったという。それでも小さなバンカーや深くて難しいバンカーなど、依然として難度は高いと久保谷プロ。 「僕はココでプロになったことで、バンカーを学ばせてもらった。だからどのコースに行っても苦戦することはありませんでした。東京ゴルフ倶楽部はやっぱりバンカーです。どれも深く、柔らかくふわっとした球を打てなければ寄せられないものばかり。日本オープンでは、『グリーンに乗せられないならバンカー狙い』とよく言われるのですが、とくにグリーンが硬くなったら、バンカーがかなり厄介になるので、それを避けた戦略を立てる選手も多くなると思います」