幸四郎と松也のダブルキャストで、劇団☆新感線の伝説の舞台が歌舞伎として蘇る
「憧れるのはやめて」刺激を与え合う関係
──幸四郎さんと松也さんは、ダブルキャストとして、またライとサダミツで対峙する相手として、お互いのどんなところを楽しみにしておられますか。 松也 幸四郎さんは前回演じたライを忘れて挑戦するとおっしゃっていますが、もちろん僕が幸四郎さんの立場でもそう考えると思いますが、それでもやはり、17年前の幸四郎さんを観て憧れてきた人間としては正直、「あの幸四郎さんのライをナマで観ることができる」という喜びが大きくて(笑)。僕だけではなく後輩たちみんながそれを楽しみにしているところがあるかと。それだけの印象と影響を幸四郎さんは僕たちに残してくださいました。その方と同じお役を演じるのはプレッシャーですが、大谷翔平さんの言葉をお借りして、「憧れるのはやめて」挑戦するという心を持って臨みたいです。 幸四郎 いや、僕のほうこそ頑張らないと。松也くんは本当に情熱的なお芝居をするんですよね。常に自分の心を動かして芝居をしているなと感じる。本来芝居ってそういうものだなと、改めて実感させてくれる刺激になる存在なんです。今回はダブルキャストで同じ役を見比べていただくので、さらに刺激になると思います。なんとか僕も頑張ります! 取材・文:大内弓子 <公演情報> 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』 作:中島かずき 演出:いのうえひでのり 【配役】 ライ/サダミツ(交互出演):松本幸四郎/尾上松也 ツナ:中村時蔵 シキブ:坂東新悟 キンタ:尾上右近 シュテン:市川染五郎 アラドウジ:澤村宗之助 ショウゲン:大谷廣太郎 マダレ:市川猿弥 ウラベ:片岡亀蔵 イチノオオキミ:坂東彌十郎 【東京公演】 2024年11月30日(土)~12月26日(木) 会場:新橋演舞場 【福岡公演】 2025年2月4日(火)~2月25日(火) 会場:博多座