栃木県上三川町で２０２３年１０月、レンタカーの中から当時１５歳の女子高校生の遺体が見つかった事件で、殺人や死体遺棄などの罪に問われた男の裁判員裁判が１８日開かれ、宇都宮地方裁判所は男に懲役２４年の判決を言い渡しました。 殺人や死体遺棄などの罪に問われているのは、埼玉県熊谷市の無職・安栖達也被告２９歳です。判決によりますと安栖被告は２０２３年１０月１７日の夜、東京都新宿区の駐車場に駐車したレンタカーの中で、千葉県に住む当時１５歳の高校１年の女子生徒の首を手で絞めるなどして殺害しました。その後、栃木県上三川町まで遺体をレンタカーで運び、１０月１９日の未明に栃木県警の警察官に職務質問されるまで遺体を放置したとしています。 １８日の裁判で瀧岡俊文裁判長は、「相当な力で女子生徒の首を執拗に絞め続けた強固な殺意に基づく残忍な犯行」と述べ「判断能力が未熟な未成年を狙った卑劣であまりに身勝手な犯行」と指摘しました。 その上で弁護側の「突発的な殺人だった」という主張を退け、検察の懲役２８年の求刑に対し懲役２４年の判決を言い渡しました。 判決後、裁判員２人と補充裁判員１人が会見に応じました。 このうち、裁判員を務めた２０代の男性は「被告は黙秘することが多く、罪を軽くするつもりはなかったと思うがまだ隠していることがあったように感じた」と話していました。 裁判員の２０歳の学生の女性は「被告の表情や心理状況からもう少し話せる状態で裁判はできなかったのか」と話していました。 補充裁判員を務めた２８歳の女性は「黙秘が多く表情に注目していた。発言の前に眉間にしわを寄せ言葉が出てこない様子だった」と話していました。