長濱ねるが沖縄取材――“平和の詩”つづった8歳に聞く「これがへいわなのかな?」 1枚の絵から感じた「平和をポケットに」
■幼い心で…感じた恐怖と平和の尊さ
穂菜さんは、絵を見た感想を詩にしました。 「こわくてかなしい絵だった」 「たくさんの人たちが死んでいて/ガイコツもあった/わたしとおなじ年の子どもが/かなしそうに見ている」 「こわいよ/かなしいよ/かわいそうだよ」 「きゅうにこわくなって/おかあさんにくっついた/あたたかくてほっとした/これがへいわなのかな?」 「せんそうがこわいから/へいわをつかみたい/ずっとポケットにいれてもっておく/ぜったいおとさないように/なくさないように/わすれないように」 「こわいをしって、へいわがわかった」 平和をポケットに入れてもっておく。この言葉からは、幼い心が感じた戦争の恐怖と平和の大切さが伝わります。 穂菜さんの祖父、德元将己さん(78)は沖縄戦で父を亡くしました。毎年必ず、一家で慰霊に訪れています。
■「これが平和かな」と思える場面
長濱さん 「私が(詩の中で)すごく好きになったところが、『これがへいわなのかな?』って2つ挙げてくれています。詩を書いてから1年くらい経って、『これが平和かな』って新しく見つけたりしたことはありますか?」 穂菜さん 「家族でご飯食べに行ったりする時とか、みんなでお出かけする時に平和だなって思います」
■感動を呼び…全国から寄せられる手紙
穂菜さんの元には、詩を知った全国の人たちから多くの手紙が寄せられています。 将己さん 「旅行がきっかけで家にまで訪ねてきた方もいるんです。新潟県から」 長濱さん 「穂菜さんに会いに来たんですか?」 将己さん 「そうなんです。ものすごく感動したということで、ご夫婦でね。沖縄の戦争の悲惨さを子どもながらに感じて、本土の皆さんに理解してもらえたんじゃないかなと」 手紙には「おきなわのたいへんさもおしえてくれました」「平和を作るために一生懸命出来ることを探したい」といった言葉がつづられています。
■穂菜さんの祖父「1人でも多くに」
長濱さん 「穂菜さんのように戦争を知らない世代の皆さんが沖縄について勉強したり、沖縄に足を運ばれたり、そういうことについてどう思われますか?」 将己さん 「沖縄に来て何も感じないことはないと思います。平和学習も思うように進まない、広がらないんですよね。でも沖縄県には実態があるわけですから、見たり聞いたりして、それを1人でも多くに広げてほしいのが、沖縄に住んでいる自分たちの願いなんですよ」 沖縄から多くの人に広がった穂菜さんの詩。 穂菜さんは今年、『平和のポケット』という作文を書きました。「全国のいろんな場所へ平和のポケットが広がってつながっていく。年れいや、住んでいる場所がちがっても気持ちはおなじです」とつづりました。 その作文は「今日も、平和がみんなのポケットへ広がっていきますように」と結ばれています。