若葉竜也「連続ドラマは向いていないと思っていた」嘘を嫌う俳優の信念と“意外と普通”な一面【ドラマ『アンメット』出演】
――そんな懸念が今回の制作現場では解消されているのでしょうか? 若葉 そうですね。僕がこれまで携わってきた多くの映画と同じように、台本の準備段階から打ち合わせに参加させてもらっています。監督やプロデューサーと一緒に、本当に大切なこと、自分たちが表現するべきことを議論して、第一話の数ページ分の台本がカタチになるまでにたくさんの時間を費やしました。 今日の取材(2月中旬)の時点で撮影が始まっていないのですが、一般的なドラマだったら数話分の撮影が終わっている時期だとか。妥協せずに挑める環境を作っていただいていることに感謝しつつ、少しだけ不安も感じています。『ちゃんと放送日に間に合うかな?』って。 ――同名の原作漫画を読まれた感想を教えてください。 若葉 人の命、つまり患者さんの人生に関わる医師の仕事を続けるのは、やっぱり並大抵のことじゃないと思いました。僕の同級生に外科医がいて、彼にも話を聞いてみたのですが、まず外科手術という行為は絶対的に技術力が問われるものだと言っていました。手術前の焦りや不安、患者さんを助けたいという私情が入り込むことはあり得なくて、ひたすら冷静に目の前の問題に対応する。 医師としての価値観や信念が問われるのは、むしろ手術が成功した後。患者さんの未来を考える時間に、いちばん精神的なエネルギーを使うそうです。原作漫画にも、人間がうごめく様子がしっかりと描かれている。だからこそ、敏腕外科医が技術を自慢するだけで終わるドラマにはしたくないですね。
「面白くなかったものを面白かった」とは言いたくない
――テレビ、という媒体でいうと若葉さんは“番宣”でバラエティ番組に出ることが少ない印象です。自分の出演作品とは関係ないことをテレビで語るのは苦手ですか? 若葉 少ないというか皆無ですよね(笑)。そもそもバラエティ番組の出演に興味がないし、自分には向いていないと思っています。僕は自分が思っていることを正直に喋りたいし、美味しくなかったものを「美味しかった」とか、面白くなかったものを「面白かった」とは言いたくないんですよね。 カメラの前で平気で嘘をつけるようになって、それに慣れれば慣れるほど、本当に感動を伝えたい瞬間の言動にも嘘が混じるようになってしまうので。それは絶対にしたくないと思っているから、僕がバラエティ番組に出ても誰も得をしないんですよ。 番組が求めることに応えられる気がしません。いずれ出ることがあるとしても嘘をつくことはないので安心してください(笑)。もし何かを強要されるのであれば即座に帰宅します。