元十両慶天海が断髪式 瀬戸内町出身 「応援に感謝」
今年の初場所で引退した鹿児島県瀬戸内町出身の元十両力士、慶天海(34)=本名・慶孔晴=の断髪式が6月23日、東京都墨田区のホテルであった。所属していた阿武松部屋や奄美出身の現役力士、OBら関係者約120人がまげにはさみを入れた。断髪式を終えた慶さんは「応援があったからこそ頑張ることができた」と、これまでの支えに感謝した。 慶天海は1990年3月10日生まれ、瀬戸内町古仁屋出身。現役時は身長175センチ、体重112・5キロ。 古仁屋相撲クラブで3歳から相撲を始め、古仁屋中から埼玉栄高に進んだ。高校2年でインターハイ団体優勝、3年で関東大会100キロ級準優勝。卒業前に阿武松部屋に入門し、2008年の1月場所で初土俵を踏んだ。 12年秋場所で十両に昇進したが、2日目に右膝前十字靭帯(じんたい)断裂の大けがをした。序ノ口優勝1回、序二段優勝2回。通算成績は336勝252敗78休。今年3月6日に日本相撲協会から引退が発表された。 断髪式に出席した鎌田愛人瀬戸内町長は「けがに泣かされた相撲人生ではあったものの、元関取として瀬戸内町の誇りだった。これまで指導してくださった関係者に、出身地の町長として、また元指導者として感謝している。本名の慶孔晴となり、相撲で鍛えた精神と感謝の気持ちを忘れることなく、今後の人生を歩んでいってほしい」とコメントを寄せた。 5月から都内で葬儀関係の仕事に就いたという慶さん。引退後は自動車免許の取得や断髪式の準備に追われた。「今はもう相撲とは全く離れた仕事をしているが、休日とか気付いたら相撲を見たりしていて。なんだかんだ、やっぱり相撲は好きなんですよね」と笑う。 「将来的には相撲に関わって、自分が経験してきたことを後輩たちにも伝えられたら。相撲人口が減っているという話も聞くが、子どもたちには楽しんでやることが上達への一番の近道だと思う。楽しく、長く続けてほしいというのが、僕からの願いです」と語った。