<プロ野球速報>松坂が2軍戦で登板、1回1安打無失点もまだ調整不足
ソフトバンクの松坂大輔(35)が14日、西宮の鳴尾浜で行われたウェスタンリーグの阪神戦に7回から1イニング登板。ストレートの最速は143キロで1安打無失点に切り抜けたが、14球中4球が明らかな抜け球で、途中、右足に違和感を訴えるような場面もあり、完全復帰までには時間がかかることを露呈した。 松坂が、登場したのは3-1のソフトバンクリードで迎えた7回。3月16日の西武とのオープン戦以来、2軍戦といえど、今季初の登板となった松坂は、ワインドアップから、8番打者の小宮山慎二(30)に、まず初球は、137キロのツーシーム系のボールでストライクをとった。カーブでカウントを追い込んでから、最後も137キロのストレートを動かしたボール。3球でライトフライに取ったが、コースは甘かった。 続く代打の坂克彦(30)には、カーブ、ツーシームと続けて抜け球となった。明らかにコントロールできていないボール。4球目は141ストレートをインサイドへ。坂は球威に押されてセンターフライに倒れた。 3人目は、阪神のレギュラークラス、上本博紀(29)。松坂は1軍を想定したのか、初球は141キロのストレートでインサイドをえぐる。1球ファウルにされたあと、再びインサイドを狙ったボールは最速の143キロをマークしたが、また大きくスッポ抜け、上本はバットを放り出して避けた。 勝負球は143キロのストレート。この試合で初めてボールが低めに来たが、上本は、これをジャストミート。打球はレフトオーバーのツーベースとなった。松坂は、右足に違和感を感じた様子で、マウンド上で足をストレッチする動作を繰り返し、心配した高村投手コーチが駆けつける事態に。それでも続投を志願、1軍経験のある俊介(28)を迎えたが、セットポジションからの初球のカーブがまたすっぽ抜けた。カウント2-1から最後は139キロの外のストレート。俊介がポーンと内野に打ち上げてセカンドフライに終わった。 無失点にまとめたが、まだ松坂は試運転の状況。昨年オフに右肩の手術を行い、徐々にピッチを上げている様子だが、途中、発熱でペースダウンするなどしていた。今の段階で、指にかからないボールがこれだけあってはまだ調整不足は明らかで、本格的な1軍復帰までには、時間がかかりそうだ。 試合後、松坂は「不安なく投げられた。徐々にイニングを増やしていきたい」とコメント。 マウンド上でしきりにストレッチをしていた右足については、調子のいいときに、出るバロメーターのような違和感だったそうだ。 一方、対戦した阪神の掛布2軍監督は、「あれだけの実績のある選手。怪我から段階を踏んでの調整で、今は苦しい段階だと思うが、なんとか復活を遂げてもらいたい。私はコメントする立場にはないが、ストレートを微妙に動かすなど、これまでにない松坂のスタイルを模索しているのだと思う」と、エールを送っていた。 なお試合は阪神の追い上げも届かず3-2でソフトバンクが勝利した。