レッドブル昇格は叶わずも、2024年大活躍した角田裕毅……もっとも印象に残ったシーンは?:読者が選ぶ角田裕毅ベストモーメント2024
1位:サンパウロGP予選。自己最高3番グリッド獲得
2024年のサンパウロGPは、雨に祟られたために土曜日に実施することができず、決勝日である日曜日の早朝からセッションが行なわれることとなった。 その日曜日の予選も天候は雨となり、レッドブルなど途中で足元をすくわれるマシンもいた中、角田は順調にQ3へと駒を進めた。ただこの予選Q3も2回の赤旗中断と荒れに荒れた。 そして迎えた最終アタック。角田はセクター1では自己ベストタイムを出せず、上位進出は難しいかと思われたが、セクター2と3をまとめて3番手タイムをマーク。予選での自己最高グリッドを更新した。そして予選後、角田はトップ3インタビューに初めて臨んだのだった。 ここでも裏話をひとつ。 このサンパウロGPでは、私と中野信治さんがDAZNで実況解説を務めさせていただいた。でも実は、角田が最終アタックを終えた段階でマクラーレンのランド・ノリスに届かなかった段階で、我々ふたりは悔しがってしまったのだった。 というのも、このノリスのタイムは赤旗中断前に記録されていたものであり、これを更新しない限りは上位はないと思っていたからだ。 しかも前述の通りセクター1は自己ベストではなかったものの、同じタイミングでアタックしていたチームメイトのリアム・ローソンよりも圧倒的に速く、セクター2も速かったため、期待が膨らんでしまっていたのだ。 ノリスはその後タイムを更新。メルセデスのジョージ・ラッセルにも上回られたものの、角田はなんとか3番手に踏みとどまり、落胆が安堵に変わったわけだ。 ただそれ以上に、日本時間土曜日の深夜に予定されていた当初の予選も順延に次ぐ順延、日曜日の予選も赤旗5回……とても疲れたのを覚えています。 なおこれ以外にも、早々にRBの契約延長が決まったこと、日本GP後にお台場で行なわれたカートイベント、「お料理していた可愛いとこ」なんて投票もありました。「大谷よりも人気発言」という投票もありましたが、これはmotorsport.comのインタビューを、他のまとめサイトが湾曲して取り上げたことがそもそもの発端なのです。 我々日本版のリクエストを元に、これもグローバル版のスタッフが「日本では連日大谷翔平ばかりが取り上げられているみたいだけど?」と尋ねた時、角田は次のように語ってくれました。 「日本人ドライバーで、例えば大谷選手のように(日本国内で)大きく取り上げられてきた人はいません。見ていてむず痒いことです」 「でも今世界的にF1自体がすごく人気が高まっているので、日本でもそうなることが当然考えられます。実際、世界的には大谷選手よりも、日本人F1ドライバーの方が有名です。結局、ヨーロッパで大谷選手はあまり知られていないですし、(人気が非常に高いのは)日本やアメリカでのことだと思います」
田中 健一