復興を願って除夜の鐘…区長「忘れてほしくない」 人口減少進む被災地の年越し 富山・氷見市姿地区
富山県氷見市姿地区は能登半島地震による家屋の被害が甚大で、これまでに約20棟が公費解体されました。姿地区では12月31日夜、住民らがかわるがわる除夜の鐘を突き、復興を祈りました。集落を離れた人、残った人。絆のムラの年越しに密着しました。 【写真を見る】復興を願って除夜の鐘…区長「忘れてほしくない」 人口減少進む被災地の年越し 富山・氷見市姿地区 2025年元日、能登半島地震から1年、虻が島を望む、氷見市姿地区の朝です。 公費による解体が進み更地が目立つようになりました。 1月1日、震度5強の揺れが港町を襲いました。 氷見市の中心部は液状化が深刻で、全壊233軒、半壊502軒、一部損壊5971軒と、富山県内で最も多い6700軒を超える住宅が被害を受けました。 公費解体が本格的に始まったのは6月でした。 氷見市によりますと、公費解体の申請件数は市内全体で511件ありましたが、12月17日までに完了したのは住宅や納屋など143棟にとどまっています。 ■復興の一歩は「壁にボールをあてて響く音」 地震以降、氷見市内で最も人口が減ったのが石川県境に近い姿地区です。 全壊が6軒、半壊が9軒、一部損壊も含めると住宅被害は姿だけで89軒にのぼりました。 地震前までは57世帯が暮らしていましたが、16世帯が集落を離れ、今残っているのは41世帯です。 家族5人で暮らす花木さん一家は半壊した築50年を超える家を直し、姿に残ることを決めました。 家族そろって年越しそばを食べるのが花木家の大みそかの風景です。 姿地区に残った 花木尚子さん 「バタバタした年。いろいろ考えとる間に1年、もうこんな月かという感じ」 野球が大好きな小学4年生の雅治くんが家の壁にボールをあてて響く音。これが花木さん家族にとっての復興への一歩です。 記者 「今年も残りわずかとなりました。氷見市姿地区では復興を願って除夜の鐘が厳かに鳴り響いています」 集落を離れた住民も除夜の鐘を突くため集まってきました。 姿地区 山本譲治 区長 「能登ばかり言われるが、豊間の方でも氷見の方でも姿とか、いろいろなおところが地震で災害が起きている。本当に忘れてほしくないという思いがある」
集落には再び戻ってくる家族もいて2軒の新築工事が進んでいます。 地震を引きがねに急速に進みだした過疎化の波は止めることはできません。しかし、どんな困難な状況でもきっと希望の光は差し込んでくる。そう信じて、ことしこそ復興への道を歩みます。
チューリップテレビ
【関連記事】
- 「1歳の息子が車に閉じ込められた」炎天下の駐車場でとっさの判断 救助の男性が迷わずとった行動とは 富山・南砺市
- 「やりたいことを堂々と」顔面動静脈奇形・河除さん 劇団員としてマスクなしで初舞台「ハイスペックイケメンにしか見えなかった…」富山
- なぜ母親は13歳の娘に不倫相手との性行為を見せたのか「変な親心で…」児童福祉法違反などの罪に問われた母親が裁判で語ったこと 子供の性被害がなくならない
- 「いい加減止めないと大変なことになる」梅毒が10年で女性は23倍に…骨や臓器に“ゴムのような腫瘍”放置すれば死に至る場合も 富山県でも急増“偽装の達人”体内でゆっくりと進行
- 「生まれてきてよかった」難病・顔面動静脈奇形の河除静香さん 見た目の悩みを乗り越え“この顔だからこそできること”