【社会人野球】「西関東の強豪に打ち勝つ野球がしたい」 復活する日産自動車が狙う初年度からの都市対抗出場
大会には25年から参戦予定
新人の採用は学生主体で、初期メンバーは22人を予定している。「NPB経験者、他社からの移籍選手という選択肢もあるかと思いますが、現状は考えていません」(伊藤監督)。活動拠点は、追浜工場内に置く。25年の活動再開へ向け、クラブハウスと室内練習場の建設が最優先事項で、早ければ来年3月に着工する。2つの施設に隣接するグラウンドは「25年のシーズン中に完成できればいいか、と。シナリオはいろいろある」と同社関係者は見通しを語る。当面は横須賀スタジアム、令和佐原球場を軸に神奈川県内の球場を借りる。寮は追浜工場内の寮を使用し、将来的には野球部専用の合宿所の建設が計画されている。 大会には25年から参戦予定。都市対抗予選における西関東地区にはENEOS、東芝、三菱重工Eastと全国トップの強豪ぞろいである。激戦区・神奈川に名門・日産自動車が戻れば、さらに代表争いは激化する。 「初年度から都市対抗に出るつもりです。西関東の強豪に、打ち勝つ野球がしたい。神奈川で勝てるチームをつくり上げれば、(本大会でも)勝つチャンスはある。相手チームさんにとっても、我々が嫌であるのは間違いない。それまでには準備をして、自信を持って戦っていく。強豪相手にぶち当たっていきたい」 社会人企業チームが活動を再開するのは、稀なケース。高校、大学の現場としては「受け皿」が一つでも増えるのは大歓迎と言える。初期メンバーは苦労も多いだろうが、新たな日産自動車硬式野球部を積み上げていく達成感も得られる。現場は「ゼロからのスタート」と強調するが、半世紀の歴史は動かない。日産自動車をこよなく愛する伊藤氏、四之宮氏が魂のこもったチームに仕上げてくるはずだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール