ブレーブス対ドジャース　5回表ドジャース2死一、三塁、右適時二塁打を放つ大谷（撮影・菅敏）

＜ブレーブス2－9ドジャース＞◇15日（日本時間16日）◇トュルーイストパーク 　【アトランタ（米ジョージア州）15日（日本時間16日）＝四竈衛】ドジャース大谷翔平投手（30）がブレーブス戦に「1番DH」で出場し、4打数2安打2打点1敬遠と活躍した。本塁打、盗塁とも上積みはなく、「47ー48」のまま3戦連続で足踏みとなったものの、反撃、同点と連続適時打でチームをけん引。ド軍は9回に一挙7点を奪う猛攻で接戦にケリをつけ、地区3連覇へのマジックは「10」となった。 【動画】大谷翔平の「突き破る大きな安打」 　　　　　◇　　　　◇　　　　◇ 　偉業を期待する周囲の騒ぎをよそに、大谷は勝利しか求めていなかった。1－2と1点を追う7回2死一、二塁。救援左腕リーに対し、カウント0－2と追い込まれた大谷は、外角低めへのスライダーに必死に食らいついた。走者をかえせれば、それでいい。最後は右手1本ですくうように右翼線へ運び、試合を振り出しに戻した。 　0－2と2点ビハインドの5回2死一、三塁からは、前打席で見逃し三振を喫した内角速球を狙い澄ましたかのように振り抜いた。トップスピンが掛かり、角度こそ付かなかったものの、時速184キロの高速打球で右翼線を破り、1点差に詰め寄った。連敗した過去2戦でわずか3得点と、湿りがちだった打線を呼び覚ます快打。ロバーツ監督も「翔平が、突き破る大きな安打を打ってくれた」と、空気を変えたひと振りに絶賛の言葉を並べた。 　勝利だけにこだわったのは、バットだけではない。同点で迎えた9回2死三塁。申告敬遠を告げられた大谷は、顔色ひとつ変えることなく一塁へ歩いた。奇策の可能性を含め、少なからず、相手バッテリーは大谷の足を警戒する。だが、ピクリとも動こうとはしなかった。続く2番ベッツに対し、ブ軍内野陣は三遊間を左寄りに狭め、二塁手を二塁ベース後方に配置。一塁手がベースにぴったりと付くため、一、二塁間がガラ空きとなり、広角に打てるベッツの安打ゾーンは確実に広くなっていた。その結果、ベッツの二塁ベース左を抜ける一打で勝ち越した。「ストップ」のサインが出ていた可能性も含め、この状況で二盗を仕掛けないのは「セオリー通り」とはいえ、大谷が「走らない」ことで勝機が広がった。 　2位パドレスが勝ったため、この一戦を落としていれば「2・5差」となり、マジックが消滅するピンチだった。終わってみれば、勝ち越し後の3連発など勢いの付く勝ち方で連敗を止めた。「この時期に自信を取り戻せた。大きなステップだ」。試合後、お気に入りの赤ワインのボトルを前にしたロバーツ監督は、最後まで笑みを絶やすことがなかった。 　--大谷翔平「１番DH」２安打２打点！９回一挙７点　「50－50」へは３戦連続足踏み／詳細 　--https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202409160000056.html--