「娘が母の日にプレゼントしてくれました(77歳・女性)」との声も! 「頭の体操」としてどハマりする人続出のビジネス書で紹介されている難問『天国への階段』とは?
「娘が母の日にプレゼントしてくれました」 こんな感想が寄せられているのが、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』です。論理的思考問題とは、知識や難しい計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる問題を指します。小中学校の受験問題や、一流企業の採用試験などでも出題されています。 そんな論理的思考問題を紹介、解説したのが本書。ビジネス書でありながら、下は10歳から上は87歳まで、ハマる人が続出して話題に。「読むだけで頭の体操になった」「娘や息子がプレゼントしてくれた」などの感想も多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「理解するだけで頭が活性化する超難問」を紹介します。 【この記事の画像を見る】 ● 究極の論理的思考を使いこなせるか? 「論理的思考」を要する、最強の難問です。 論理的思考を総動員して、この超難問に挑戦してみましょう。 「天国への階段」 あなたの目の前にふたつの階段がある。 どちらかが天国行きで、どちらかが地獄行きだ。 そして階段の前には、3人の門番が立っている。 門番は「いつも真実を言う天使」「いつも嘘をつく悪魔」「気まぐれで真実も嘘も言う人間」のいずれかだが、外見では見分けがつかない。 そして、門番は「Yes」か「No」しか言わない。 あなたは「誰か1人に質問する」ことが2回できる。 どのように質問すれば、天国行きの階段を知ることができるだろうか? なお、門番たちは互いの正体を知っている。 イラスト:ハザマチヒロ 次のページで、正解と考え方をお伝えします。
問題の設定や、求められていることはシンプルです。 やっかいなのが、気まぐれで真実も嘘も言う「人間」という存在。少し考えてみると、かなりやっかいであることに気づきます。 問題を解くためには、かなり卓越した発想が必要になりそうです。 ● 「二重質問」という方法 門番が「天使」と「悪魔」の2人だけの、「天国への道」という問題を以前紹介しました。 似たシチュエーションですが、今回は相手が3人に増えています。ですが問題なのは人数ではありません。 「人間」という存在です。 相手が「天使」と「悪魔」だけなら、「私が『~~?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」という二重質問で正解がわかります。 1つの問いかけに、2つの質問を仕込む。それが二重質問です。 たとえば、「私が『この階段は天国行きですか?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」と尋ねるとします。指した階段が天国行きであり、尋ねた相手が「天使」である場合、回答はこうなります。 「この階段は天国行きですか?」への回答→Yes 「~と尋ねたら、あなたはYesと答えますか?」への回答→Yes 一方で、指した階段が天国行きであり、尋ねた相手が「悪魔」であった場合、回答はこうなります。 「この階段は天国行きですか?」への回答→No(本当はYesだけど嘘をつくため) 「~と尋ねたら、あなたはYesと答えますか?」への回答→Yes(本当はNoだけど嘘をつくため) このように、天使と悪魔の回答が一致します。 二重に質問することで、悪魔は嘘の嘘をついて、真実を答えてしまうのです。 ● 邪魔すぎる「人間」という存在 ですが「人間」は、気まぐれで真実も嘘も言う存在。つまり、 二重質問の最初の質問には「真実」を言い、後の質問には「嘘」をつく可能性もあるのです。 つまり「人間」の回答から得られる情報はなく、問題解決において何のプラスにも働きません。「人間」には、二重質問が効かないのです。 では、どうすればいいのでしょう? ● まず、やるべきこと この問題には2重の「不明」が潜んでいます。 ① 誰が人間なのか、そうでないのかがわからない ② どれが天国への階段なのかわからない 「人間」からは何も手がかりを得られないため、1つ目の不明を解かずに、2つ目の不明を解くのは難しいでしょう。 一方で、質問も2回できます。そこで1回目の質問では、まず「少なくとも人間ではない門番」を特定しましょう。 3人の門番は「Yes」か「No」しか言えないため、「人間は誰ですか?」と聞いても答えられません。よって、最初にすべき質問は、 「『○○○は人間?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」 です。 では、それぞれ見ていきましょう。 ● 1回目の質問 1回目の質問をする相手は誰でもかまいません。というか、見た目で区別ができないので、とりあえず誰かに質問するしかありません。 仮に、3人の門番をA,B,Cとして、1回目はAに質問してみます。あなたはAに対し、以下の質問をします。 「『Bは人間?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」 尋ねたAが「天使」「悪魔」それぞれのケースで、返答を考察してみましょう。 Aが「天使」だった場合、回答は以下のようになります。 あなたの質問:「Bは人間?」と尋ねたら、あなたは「Yes」と答えますか? ・Bが人間である場合のAの回答 「Bは人間?」→Yes 「Bは人間?」と聞かれたらYesと答える?→Yes ・Bが悪魔である場合のAの回答 「Bは人間?」→No 「Bは人間?」と聞かれたらYesと答える?→No 当然、答えが「Yes」なら「Bは人間」、「No」なら「Bは悪魔」です。 次に、尋ねたAが「悪魔」だった場合、回答は以下のようになります。 あなたの質問:「Bは人間?」と尋ねたら、あなたは「Yes」と答えますか? ・Bが人間である場合のAの回答 「Bは人間?」→No 「Bは人間?」と聞かれたらYesと答える?→Yes ・Bが天使である場合のAの回答 「Bは人間?」→Yes 「Bは人間?」と聞かれたらYesと答える?→No 答えが「Yes」なら「Bは人間」、「No」なら「Bは天使」です。 つまりAが天使であろうと悪魔であろうと、この質問に「Yes」という答えが返ってきたらBは「人間」です。 そしてCは人間ではないとわかります。 よって、2回目の質問は人間ではないCに対して尋ねます。「もう一度Aに聞くのではダメなの?」と思うかもしれませんが、理由は後ほど説明します。 では、1回目の質問のAの答えが「No」だった場合は? その場合は、少なくともBは「人間」ではありません。 よって、2回目の質問は人間ではないBに対して尋ねます。 ● もしもAが人間だったら? これで、「人間ではない」存在を特定できました。 ですが、こう思った人もいたのではないでしょうか。 「もしAが人間だった場合は、そうはいかないのではないか?」 たしかにAが「人間」の場合、1回目の質問への返答の内容に信憑性がなくなります。 だから、Aの返答がどのような内容であったとしても、 2回目の質問はかならずA以外の人にするのです。 たとえAが「人間」であり、1回目の質問の回答に信憑性がなかったとしても、2回目の質問をA以外の相手にすることで「人間以外の人に質問する」という目的を果たせるのです。 これで、2回目の質問は確実に「人間ではない相手」にできます。 ● 2回目の質問 ここまで来れば、あとはどちらかの階段を指差し、BもしくはCの人間ではない方に、 「『この階段は天国行き?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」 と質問します。 その相手が「天使」であっても「悪魔」であっても、答えが「Yes」なら指差した階段が、答えが「No」ならもう一方の階段が、天国行きであるとわかります。 <正解> 3人の門番をA,B,Cとする。まずAに対し、「『Bは人間か?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」と質問する。答えが「Yes」なら次の質問はCに、「No」なら次の質問はBに尋ねる。次に、一方の階段を指差しながら、「『この階段は天国行き?』と尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」と質問する。答えが「Yes」なら指差した階段が、「No」ならもう一方が天国への階段。 ● 「思考」のまとめ 「否定」に「否定」を重ねると「真実」になる。そのテクニックを用いた解法は「天国への道」と同じでしたが、それに加えて「人間」という存在が難易度を上げていた問題でした。 その存在を排除することさえできれば、あとはシンプルに解けましたね。 二重質問に、二重質問を重ねる。まさに論理的思考の最高峰と言える問題です。 ・「どうすればわかるか」だけでなく、「何があるからわからないのか」を特定し、要因を排除することで、シンプルに考えられる (本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。) 野村裕之(のむら・ひろゆき) 都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者 ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。
野村裕之
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