女子にかけられる教育費は男子より低い、浪人したら結婚・出産が遅れる?!地方女子の東大進学を阻む呪いとは
東大女性排除・他大学女性歓迎サークルの歴史
また、東大に他大学の女性を歓迎しつつ、「東大女性」を“排除する”サークルがながらく存在してきたことは有名な話ですが、その実情に関する記述はなかなかにショッキングなものでした。東大女性排除を疑問視する声が上がっても、“伝統であること”などを理由に聞き入れられず、「我々は他大の女子学生との出会いの機会を求めている。大学はそれを妨害するつもりなのか」といった声があがったといいます。
多様性の逆を行く!
筆者は地方出身ですが、以前東京出身者に、大学進学における地域間格差の話をすると、「そんなの昭和の話でしょう。今はさすがに平等だよ」と言われ、心底驚いたことがあります。東京で生まれ育つとなかなか実感しにくいのかもしれませんが、実際、大学進学率は都道府県によって大きな格差があります。 東大においても、偏りは「男女比」だけではありません。矢口氏は、東大合格校の異様なまでの“寡占化”を指摘しています。 東大合格者数トップ20の高校リストのトップ5に男子校が4校(うち3校は私立)が入っているのです。 日本の全高校に占める男子高校の比率は2%に過ぎないという現状を考えると、これがどれほど特殊なことかわかるだろう。(中略)トップ20内にある男子校は1校を除きすべて私立で中高一貫を基本としているが、日本にこのような形の学校は非常に少ない。 (『なぜ東大は男だらけなのか』矢口祐人著、集英社) 東大生の親の年収が高いことは有名ですが、実際データで見てみると、2021年度(第71回)学生生活実態調査結果報告書の「現在の生計を支えている方の昨年(2021年1月~12月)の年間税込み収入(世帯年収)」という項目では、「わからない」という回答以外で最も多いのは「1250万円以上」で18.6%となっており、950万円以上の層だけで全体の4割を超える結果となっています。 つまり、東大生は男性、私立中高一貫の男子校出身、世帯年収が高いという条件の人がとても多いのです。