「ニュル最速」は絶対、譲らない!メルセデス-AMG ONEが市販車ラップを一気に5秒以上も更新
6分30秒台を「突破」したスーパーラップをたたき出す
メルセデス AMGは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて、ハイブリッドハイパーカー「メルセデス AMG ONE」による2度目のタイムアタックを実施。前回同様、マロ・エンゲルがステアリングを握り、自身が2022年に記録したタイムを5秒以上更新する6分29秒090をマークした。公道走行可能な生産車とスーパースポーツカーのカテゴリーにおける新記録となった。 【写真はこちら】F1ドライバーが実戦で操る「リフト&コースト」と呼ばれるテクニックを駆使(全13枚) ドイツ北西部にあるニュルブルクリンクサーキット。全長は20kmを超え、高低差が激しく、170以上のコーナーを持つ同サーキットは、そのあまりにも過酷な環境であることからグリーンヘルとも呼ばれている。 この環境下故に、ニュルブルクリンクの道を走破したことは世界一過酷な耐久テストをクリアした証にもなることから、車開発においても重要な役割を果たしている。ここでは世界各国のj同社メーカーがテストを実施し、性能や安全性に磨きをかけているのだ。 そんなニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで新たな記録が誕生した。歴史に名を刻んだのはメルセデス・ベンツが誇るハイブリッドハイパーカー「メルセデス AMG ONE」とメルセデスの顔とも言える存在のマーロ・エンゲル。 長らくメルセデスに在籍し、AMGのブランドアンバサダーでもあるエンゲルは、2022年にメルセデス AMG ONEで6分35秒183という市販車における最速記録を樹立している。これまでどのメーカーもこの記録を更新できていない中、今回はこの最速タッグが自身の記録に挑戦したのだ。 2年前の記録を更新すべく、入念な準備を行った。2年前はコンディションが理想的ではなく、コースの一部が少し湿っていた。メルセデス AMG ONEはもっと速いことを証明したかったとエンゲルは語っており、走行するタイミングも重要だったという。
「エネルギー回生」を最大限に活かす新次元への挑戦
そして、9月23日の午後6時56分、気温15度、路面温度20度、コース全体が乾燥したタイミングで行った3回目のタイムアタックでエンゲルは見事記録を更新してみせたのだった。 この記録達成に不可欠だったのはコンディションだけではなく、ハイブリッドドライブの電力を最大限に活用する必要があったという。しかし、全長20kmを超えるコースではチャレンジングな緒戦で、ブレーキングフェーズでの回生を適切に行うために、コースのどの部分で回生をするかが非常に重要となった。 エンゲルはAMG ONEの4段階のエネルギーフローコントロール(EFC)システムを活用。ルイス・ハミルトンやジョージ・ラッセルがF1グランプリで行っているように、通常より少し早めにアクセルを離す「リフト&コースト」と呼ばれる技術を使用し、回生の最適化とハイブリッドドライブの電力を最大限に活用することに成功したのだ。 メルセデスを知り尽くしたGTカーのスペシャリストの技量と、ハイブリッドシステムやDRSといったF1で培った世界最高峰の技術が結集し生まれた大記録。車両はニュルブルクリンク1927 GmbH & Co KGのラップ規定に従い、TÜVラインラントによって量産車であることがテスト・記録され、公証人が記録走行が正しく行われたことを確認している。 ※2024年10月17日、記事の一部を修正
Webモーターマガジン編集部