Media Briefing[日本版]: 🖥デジタル広告における ポストGoogle を探る。次なる「勝ち組」はAで始まる……?💰
サードパーティCookieの廃止で得をするのは一体誰なのだろうか。 ファーストパーティデータがますます重要性を増すCookieレスの世界においては、大量のログインデータを持つ企業に有利であることは間違いない。ということは、結局ブーメランが手元に戻ってくるように、プライバシーサンドボックスをはじめとする豊富な手札によってChromeに依存するデジタル広告における新たな支配を確立しようとしているGoogleだろうか。ただし、その未来は多難だ。 一方で、勝ち組「候補」はいる。独自のeコマースプラットフォームと動画配信サービスに多くのログインユーザーを抱え、IDシステムには不可欠なインフラとクリーンルーム機能も備えている企業。そう、Amazonだ。
AmazonはサードパーティCookieなきオープンウェブの次なる「支配者」になれるのか
Amazonは明確にCookieなき世界を見据えて準備を整えている。例えば同社の最近の広告事業に関する資料では、Cookieに頼らないオーディエンスの測定ツールとして、「Amazon Audience」や「モデル化されたコンバージョン(Modeled Conversions)」といった機能が並ぶ。効果測定を強調するのは賢明だ。出稿した広告が期待通りの成果を上げているのか否かを検証できないなら、ターゲティングができたところで意味はない。 また、Amazonは3年前から「ID++」と呼ばれる独自識別子の開発に取り組んでいる。Googleの「パブリッシャー指定識別子(PPID)」または「暗号化されたシグナル」に近いもので、実現すればパブリッシャーはオーディエンスの身元や特徴を漏らすことなくデータパートナーと連携できる。もしAmazonがこのIDを本格的に展開できれば、提供可能な広告在庫を外部のサイトに広げ、同社の外部配信広告を大幅に強化するかもしれない。 さらにAmazonは、コンテクスチュアル広告にも抜かりなく触手を伸ばしている。パブリッシャーのファーストパーティコンテクスチュアルデータと小売企業として自社が持つ取引データを活用して、点と点を結んで全体像を描く構想のようだ。 ただ正直に言えば、効果測定ツールやコンテクスチュアルターゲティングと、識別子だけでは、Cookieなき世界で確かな地位を得るのは難しいかもしれない。なにせ、同じことをGoogleもMetaもやっているのだから。 関連する記事 AmazonはサードパーティCookieの終焉にチャンスを見出す