いまどきシニア「60歳代の貯蓄額」平均と中央値はいくら?「厚生年金・国民年金」の平均月額と個人差もチェック
資産運用アドバイザーの視点から見る「老後の準備」
ここまで、60歳以上の貯蓄額や年金額について見てきましたが、実際に将来受け取る年金額や現在準備している貯蓄を確認することで、自分自身の老後の生活も少しイメージできたかと思います。 現役世代の方にとっては、今のうちから老後の生活資金を準備することで、将来に向けて安心できる環境を整えることが可能です。では、具体的に老後の生活資金を用意する方法にはどのような選択肢があるでしょうか? まず挙げられるのは新NISAです。新NISAは、老後資金を含む長期的な資産形成を目的に、税制優遇を受けながら少額から始められる投資信託を活用した制度です。 国が用意した制度であるため、老後の生活資金準備に活用する人も多いですが、投資信託などの金融商品には元本の保証はありません。コロナショックやリーマンショックのような世界的な不況が起きた場合には資産が減少するリスクもあります。 次に個人年金保険があります。これは保険会社が提供している老後資金の準備方法で、保険期間満了後に年金のように一定額を受け取ることができます。個人年金は比較的安定した利率で増やせるため、新NISAと組み合わせて活用することでリスクの分散も図れるでしょう。また、個人年金保険料控除を活用することで、節税にもつながります。 老後の生活資金は、少額からでも早めに準備を始めておくことが大切です。コツコツと積み立てを続けることで、将来の安心に向けた土台が築けます。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
筒井 亮鳳