前回4強の堀越、健在の「ボトムアップ方式」で主将DF竹内利樹「絶対に優勝する」 28日開幕の全国高校選手権
第103回全国高校サッカー選手権は28日、東京・国立競技場で開幕する。前回大会に初の4強入りを果たした堀越(東京A)は、選手が戦術や交代策などを自分たちで考える「ボトムアップ方式」が健在。今大会は初戦の2回戦で津工(三重)と激突。選手が自発的に取り組んできた守備力強化の成果を示す。 雪辱は同じ舞台で果たす。堀越のDF竹内利樹人主将(3年)は全国制覇を目標に掲げた。 「(昨年は)達成感より悔しさしか残らなかった。次は(国立でも)勝利して絶対に優勝する」 前回大会ではピッチ内外での自主性を重視した「ボトムアップ方式」で快進撃。練習メニューに戦術、先発メンバーや途中交代の判断も選手主導で行う異例のスタイルで、過去最高だった2020年度大会の8強を超え、創立100年の節目で4強入りを果たした。 同方式は約12年前に導入されると徐々に浸透し、花開いた。佐藤実監督は「責任を持たせることで人は変わる。自分たちで目標を掲げ、達成の喜びを感じさせることができる」。部活動の枠を超えた人間教育の術でもあり、学内外から高い評価を受けた。 4強メンバーの大半が今年も残る。竹内主将は3年4人、2年2人、1年1人からなる「リーダーグループ」と連係、メンバー選考、日々の練習内容などを決定。前回大会準決勝・近江(滋賀)戦では守備にほころびが生まれ、1―3で敗れたことから、積極的に守備を強化。佐藤監督が考えた練習法をベースに選手が意見を出し合い、レベルアップを図ってきた。 「自分を含め、堀越でサッカーをやりたくて入ってきた選手が多い。今年は絶対に勝ちたい」と竹内主将。自分たちの手で作り上げてきたチームで頂点を目指す。(一色伸裕) ■堀越(ほりこし) 1923(大正12)年創立の私立共学校。サッカー部は82年に創部。部員数は81人。選手権は2年連続6度目の出場で、最高成績は2023年度の4強。佐藤実監督(48)。所在地は東京都中野区中央2―56―2。主な卒業生はサッカー解説者の松木安太郎氏、野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督ら。芸能人を多く輩出していることでも知られる。