シンガポール民間航空庁（ＣＡＡＳ）は15日、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランドの都市間の路線で、航空機が効率的な飛行ルートを取ることができる「ユーザー・プリファード・ルーティング（ＵＰＲ）」の試験を開始したと発表した。期間は３カ月。飛行時間の短縮と二酸化炭素（ＣＯ２）排出量の削減を目指す。 　４カ国の航空管制サービスプロバイダーと、シンガポール航空、インドネシアの国営ガルーダ・インドネシア航空、オーストラリアのカンタス航空、ニュージーランド航空が参加し、試験を実施する。シンガポールまたはインドネシアの都市と、オーストラリアまたはニュージーランドの都市間を運航する38本の定期路線を対象とする。 　パイロットが最も効率的で直接的なルートを柔軟に選択することを可能にし、飛行時間の短縮とＣＯ２排出量の削減につなげる考え。シンガポールとオーストラリアのメルボルン間では、１回の飛行で最大1,700キログラム相当の燃料を節約し、年間1,960トン以上のＣＯ２排出量削減を見込む。 　試験期間の終了後、参加者からのフィードバックを得た上でユーザー・プリファード・ルーティングを正式に開始する。将来的には参加者を拡大したい考えだ。