【インフルエンザ】今季は流行が「長期化」のおそれも!?感染のピークは1~2月か 長期戦に備えて...薬剤師の資格を持つ気象予報士が「予防のポイント」などを詳しく解説
免疫力低下の背景に“あのウイルス”
―――「免疫力」というのは、やはり新型コロナウイルスと何か関係があるのでしょうか? 林保捺美さん:はい。2020年ごろから新型コロナウイルス感染症が拡大したことによって、この3年間、主に飛沫感染を対象とした感染対策が大規模で行われました。この感染対策はインフルエンザにも有効で、例年よりもインフルエンザの感染者が少なくなったんですね。 ―――新型コロナの感染対策で、なかなか免疫を獲得する機会がなかったということですか? 林保捺美さん:そうです。“免疫の獲得の機会”が少なくなったことで、抗体を持たない人が多くなったということです。ですので、今シーズンは流行が長期化するおそれがあります。先ほどの流行状況のグラフ(大阪府HPより)を見てみますと、2023年は10月や11月の時点で数値は高めです。これからピークが1~2月にやってくるということを考えますと、これから感染者がさらに増加したり、流行が長期化したりするおそれ、または今シーズンに何度も感染してしまうようなおそれが出てきてしまいます。
流行が早く始まったが…いつごろ収束する?
―――流行が早く始まったからといって、早く収束するわけではない? 林保捺美さん:この後、流行期間が延びてしまうおそれもあります。大阪の月別平均気温(1991~2020年)を見てみますと、気温が上がって20℃を超えてくるのが5月ごろということで、毎年、これくらいの時期に流行が収束していくのですが、果たして今回の感染状況はどうなるのか…というところです。 ―――9月ごろから流行が始まって、冬にピークを迎えて、5月ごろまで流行が続いてしまうおそれもあるということでしょうか? 林保捺美さん:3~4月ごろまではそういったおそれもあります。
インフルエンザに感染しないためには?
林保捺美さん:では、感染対策のポイントをお伝えしていきます。まず、免疫力を高めるためには「十分な休養」と「栄養のバランスのとれた食事」を心がけてください。次に、基本的なことですが「手洗い・うがい」ですね。しっかりと行ってウイルスを体内に取り込まないようにしていただきたいです。「アルコール消毒」も有効なので、しっかりとお願いします。 そして、「換気」ですね。冬は怠りがちだと思いますが、1時間に2、3回ほど換気をしてください。結構な頻度ですが、これで少しでもウイルスを部屋から出していただきたいです。また、空気が乾燥してしまいますと、喉の粘膜にある防御機能が衰えてしまってウイルスに感染しやすくなります。そのため、適度な温度と湿度を保つことが大切です。目安としては、室温が18~22℃くらい、湿度が50~60%くらいを保つようにしてください。