元BリーグMVPがチームの緊急事態に27得点、佐賀バルーナーズの金丸晃輔「昔はこれぐらい取っていたので、久しぶりの感覚でした」
宮永HC「金丸選手はこれがスタンダード」
以前の金丸はその突出したシュート力を武器に得点を量産し、シーホース三河に在籍していた5シーズンの平均得点は16.3だ。「それぞれのチームで役割がある」と言うように、三河から移籍して以降はプレータイムの微減や役割の変化とともに平均得点が2桁に届かない期間が続いていた。しかし、ハレルソンの長期離脱が決定した今、金丸には再びスコアラーモードになることが求められそうだ。 佐賀の宮永雄太ヘッドコーチも以下のように考えている。「準備してる個別のプレーの中で、周りのスクリーナーやパサーが彼に少しずつアジャストできるようになってきたと感じます。金丸選手はこれがスタンダードなので、彼がウチにアジァストしたというより、僕も含めて周りの選手が今回のようにできれば、シュートチャンスはもっと引き出せると思います。今日のところは良い部分もたくさんありましたし、継続してできるところをしっかりと見極めたいと思います」 金丸は以前から、周りのメンバーの協力があってこそ自分は生きると強調し、今回も「僕の場合、連携が必要なのですぐにはうまくいかないだろうとは思っていた」と言う。10月19日の秋田ノーザンハピネッツ戦では無得点に終わり、直近3試合では平均8.0得点に終わっていたため「ぶっちゃけ、ここ数試合は全然力になれていなかった」とも言ったが、「フォーメーションの狙いどころも分かってきているし、僕が2人を引きつけてノーマークも生まれました。良い方向になってきているんじゃないかと思いますし、チームから(得点を)求められているのであればそれを出せるように」と、さらなる活躍を誓った。 また、チームの顔である角田太輝も「依存してしまう部分はあるかと思うんですけど、任せてバランスよくやっていきたい」と、金丸の復活を歓迎している。 冒頭で説明したように、ハレルソンの長期離脱はガルシアの強みを生かし切れない状況を意味し、佐賀にとって大きな痛手だ。それでも、5年連続でレギュラーシーズンベストファイブに選出され、2020-21シーズンには最優秀選手賞(MVP)も受賞した金丸が本来の姿を取り戻すことができれば、ピンチをチャンスに変えられるはずだ。
丸山素行