東芝デジタルソリューションズ、映像解析の学習済みAIモデルでJetson対応版を提供開始
東芝デジタルソリューションズ株式会社は11日、映像解析の学習済みAIモデル「SATLYS(サトリス) 映像解析AI」において、エッジAIプラットフォーム「NVIDIA Jetson対応版」の提供を開始すると発表した。「人物/物体検出・追跡」や「顔認識」など4種類のAIモデルを提供する。 【画像】サービスロボットに顔認識や人物属性推定の機能を追加し、来店客層の把握などマーケティングに活用 SATLYS 映像解析AIは、防犯カメラや監視カメラなどの映像解析に利用できる学習済み映像解析AIモデル。人物や物体の検出と追跡、顔認識や性別・年齢の推定、人物の行動認識や骨格の推定などが可能で、クラウドサービス(クラウドAPI)とオンプレミス用SDK(ソフトウェア開発キット)の両形態で提供され、流通・物流、製造、エネルギーや社会インフラなどの分野で適用されてきたという。 今回は新たに、NVIDIA Jetsonに対応するAIモデルをラインアップに追加することにより、映像解析においてリアルタイム性やプライバシーへの配慮が必要なアプリケーションを、迅速かつ容易に開発できるようにしたとのこと。具体的には、以下の4種類が用意され、いずれもJetson開発者キットで利用できるSDKとして提供される。 ・人物/物体検出・追跡 AIモデル:映像内の人物や物体を検出し、対象物ごとに追跡可能。 ・カメラ間追跡 AIモデル:別々の場所で撮影された複数の映像から、同一人物を認識できる ・顔認識 AIモデル:さまざまな環境下で、個人を高速・高精度に認識できる ・人物属性推定 AIモデル:検出した顔に対し、性別、年齢を推定可能 なお東芝デジタルソリューションズでは、今回のNVIDIA Jetson対応版を利用すると、映像データをサーバーやクラウドに送信・蓄積することなく、店舗に設置したエッジデバイス内で解析し、客層・動線分析の処理を完結することで、プライバシーに配慮した顧客分析を行えるようになると、その利用例を紹介。 また、プライバシーに配慮しながら公共空間を監視し、リアルタイムで各種防犯システムと連動する「監視・防犯」用途や、リアルタイムで自律的な制御が必要なサービスロボットや産業用ロボットに顔認識や人物属性推定の機能を追加する「ロボティクス」用途でも利用できるとした。
クラウド Watch,石井 一志