なぜレース好きが醜いクルマで有名なシトロエン「アミ6」に惚れた? 40年来の仲間3人組でクラシックカーラリーを楽しみました
モータースポーツに携わってきた仲間と3人で遠州三河路をドライブ
ジーロ・ディ・三河~遠州は初回から参加していて今回で3度目だという近田さんの助手席で入念にコマ図をチェックしていたのは、富士スピードウェイの取締役や、スーパーフォーミュラの審査委員長などを歴任してきた、モータースポーツ界の重鎮・柘植和廣さんだ。前日に東京・有明で開催されたフォーミュラE東京大会で役員を務めた後、ここ旧多米小学校に駆けつけ、F1日本グランプリ前の束の間の休息を昔馴染みと一緒に楽しむという。 また、この時代のシトロエンならではのソファのような後部座席に座る鈴木陽一郎さんは、学生時代のダートラに始まり、ツーリングカーのN1やRSレースでの近田さんの仲間であり、鈴鹿インターナショナルポッカ1000km RSクラス優勝時のチームメイト。「コマ図は柘植さんに任せて、僕はサブのコ・ドライバーだから、後ろでゆっくりさせてもらうね」 と笑顔をみせてくれた。 それぞれの立場でモータースポーツに携わってきた40年来の仲間という3人組が、今回はゆったりと遠州三河路を楽しむというわけだ。とはいえ、そこは本気のモータースポーツ育ちのドライバー&コ・ドライバーである。 「おい、インカットし過ぎるから、補正と距離が合わないよ!」 と助手席の柘植さんにブツブツ叱られたりもしながらも、アミ6の車内で昔話に花を咲かせていた。 モータースポーツ一辺倒だった近田さんに、これまでとはまた違ったスローな楽しみ方を、製造から半世紀以上を生きてきたシトロエン アミ6が教えてくれたようだ。