〈アメリカ大統領選〉「選挙が盗まれた」ことを主張し続ける保守派の集会で、トランプの大親友が語ったこと
トランプ氏は素晴らしい
さらに、リベラルなメディアからトランプ氏に対して多くの批判が出ていることについては、こう擁護してみせた。 「トランプ氏への批判が多いことは私も知っています。しかし、彼も人間です。モンスターのように扱うのは馬鹿げています。最後に私が言いたいのは、彼の洞察力は素晴らしく、彼は完全にオリジナルであるということです」 カールソン氏は「誰も支持しない」としながらも、デサンティス氏についての言及は、自分が住んでいる州の知事として評価しているという程度にしか聞こえなかった。 一方、トランプ氏については、自分の人生観がすっかり変わるほどの衝撃を受けたことを明らかにし、彼が唯一無二の存在であることを強調して、会場からの質問への回答を締めくくり、さらには、自分の登壇時間そのものを終えている。 トランプ前大統領に対する称賛の畳みかけは、聴衆にとっては、カールソン氏という影響力を持つ人物が、トランプ氏の強さを仄めかしたと受け止められたことであろう。 その後、カールソン氏が暗示した通り、トランプ氏は各種世論調査でデサンティス氏を大きく引き離し、デサンティス氏は大統領選挙の候補者選びから撤退した。
---------- 及川順(おいかわ じゅん) 1971年生まれ。東京大学経済学部卒業。1994年NHKに記者として入局。国内政治、アメリカ政治を中心に取材。報道局政治部、アメリカ総局(ニューヨーク)などを経て2019年からロサンゼルス支局長。2023年から沖縄放送局コンテンツセンター長。2010年、国連記者協会賞受賞。著書は『非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から』(集英社新書)。 ----------
及川順