「昔はロッカールームに行くのもイヤでした」 復帰した森田理香子が今のツアーで感じたこととは?
6年前とはツアーの雰囲気が大きく変わった
◆国内女子プロゴルフ<ヤマハレディースオープン葛城 3月28~31日 葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県) 6455ヤード・パー72> 【動画】蛭田みな美がホールインワン寸前! これがヤマハ初日のベストショットです
競技中止となったヤマハレディースオープン葛城2日目、今季3戦目のツアー出場となった森田理香子を直撃した。 ――第2日が競技中止となったのは残念でしたね。 森田理香子(以下森田) そうですね、私的にはやりたいなと思っていましたが、コースコンディションがよくないみたいですし、中止は仕方がないと思います。明日に向けて気持ちを切り替えたいですね。
――開幕戦で6年ぶりのツアー復帰を飾りましたが、ここまでを振り返ってどうですか? 森田 楽しくやらせてもらっています。昔はシード権を獲らなければいけないとか、いろんなしがらみがありましたが、今は何もないので、自分のやりたいことをやっている感じです。 ――何かテーマを持って試合に臨んでいるんですか? 森田 毎日を一生懸命にやるっていうのがテーマです。今回のように推薦出場をもらえているのは幸せなことだと思います。誰も自分に優勝を期待していませんし、試合に出るだけで喜んでくれる人がたくさんいます。でも、ただ出るだけではダメですし、プロゴルファーとしてよりよいプレーをしたい気持ちもあるので、一生懸命に頑張ることを心がけています。 ――6年前とはツアーの雰囲気もかなり変わったと思いますが? 森田 何もかも違いますね。まず、システムが違います。例えば、今日のようにスタートが遅れるときでも、以前はコースへ来て、クラブハウスでずっと待たなければいけませんでした。アナウンスを聞いて、またスタートが遅れるのかと。今は、メールで知らせてもらえるので、ホテルで待機できます。時間を有効に使えるようになったのは大きいです。 ――体の負担も減りますね。 森田 そうですね。クラブハウスで何時間も待つのはキツイですから(笑)。あと、若い選手が伸び伸びやっているなと感じました。昔は先輩のみなさんからいろんなことを注意されましたが、今はそういうシーンを見かけないですね。ある意味、他の選手に対して無関心なんでしょう。若い子も自分のやりたいように行動しているよう見えます。 ――昔の若手は遠慮がちだった? 森田 ロッカールームに入るの嫌でしたし、浴室なんて行けなかったです。 ――今の若手がうらやましい? 森田 どっちもどっちですね。ずっとツアープロでいることはできませんよね? いつかはツアーから離れなければいけない。違う世界に行ったときに、常識がないと思われるか、しっかりしているかで第2の人生も決まってくるし、そういう面では、自分の場合、いろんな方に指導を受けたことで、違う世界でも生きていけるのかなと。まあ、それも自分が年齢を重ねて、いろんな経験をしたから、必要なことだったなと思えるんですけどね。 ――なるほど。ちなみに、この後は出場する試合は決まっていますか? 森田 まだ何も決まってないんです。幸せなことに試合の解説とかいろんな仕事をいただいているので、そちらが中心になります。ただ、こうやってトーナメントに出場することで、若い選手がどういう考え方をしているのかとかも自分のプラスになるので、いい機会をいただいているなと考えています。それにプラスして成績が出れば一番いいんですけどね。 ――今年はQTに挑戦する予定は? 森田 挑戦するつもりです。今年はツアーで5勝以上している選手がもらえる推薦での出場ですが、来年はQTに出場して、ツアーの出場権を獲得できればと思います。
森田 理香子(もりた・りかこ)
1990年1月8日生まれ、京都府出身。2008年にプロテスト合格し、翌09年からJLPGAツアー本格参戦。賞金ランキング27位で早くもシードを獲得し、大器の片鱗を見せた。初優勝は10年の樋口久子 IDC大塚家具レディス。13年には年間4勝を挙げて初の賞金女王に。18年を最後にツアーから遠ざかるも、24年「ダイキンオーキッドレディス」で約6年ぶりの復帰を果たす。
山西英希