日本の主食「お米」で花粉症を治す? 農水省主導で開発が進む「スギ花粉米」実用化の“現在地”
まずは「医薬品」を念頭に実用化の予定
「中間とりまとめ」において、スギ花粉米は医薬品を念頭に課題の整理、解決の方向性が整理されている。 「実用化に向けた剤形(薬の形状)の検討にあたっては、有効性が期待できる用法・用量や、作用機序(薬が作用する仕組み)などの検討のしやすさ、服用しやすさを踏まえて、お米の中にある有効成分の抽出物である『PB分画』の粉末を候補とすることが示されています。 ただし、有効性・安全性、作用機序から用法・用量の見通しを明らかにした上で、製造コストや流通面なども含めて検討する必要があり、剤形については今後、変更されることもあり得るでしょう。 具体的にどういった用法・用量、期間で治療効果が感じられるのかについては、今後の研究によって見通しを明らかにしたいと考えています」(農研機構・担当者) なお、実用までどのくらいかかる見込みか、将来的に医薬品の原料だけでなく「食用のお米」として実用化される可能性があるのかについては、「研究開発段階であるため、見通しを示すことは難しい」(同前)とのことだった。 スギ花粉症治療の新たな選択肢となるよう、今後さらに研究が進むことに期待したい。
弁護士JP編集部