「維新の党」「大阪維新の会」「おおさか維新の会」それぞれ何が違うの?
地域政党としての大阪維新の会の役割
橋下氏らは、維新の党から分党しての新党「おおさか維新の会」の設立を目指したのですが、党執行部はこれを認めず、分党交渉は決裂。おおさか維新の会に参加予定の国会議員や地方議員は、除籍処分とされました。 「15年10月24日、維新の党執行部から除籍された大阪系の議員たちは、独自に臨時党大会を開いて、維新の会の解党を決議します。除籍されている彼らが、なぜ党大会を開けたかというと彼らなりの根拠がありました。それは、10月1日の時点で松野氏の代表任期は切れているため、その松野執行部による除籍処分は無効、よって自分たちはまだ維新のメンバーなので、臨時党大会の解党も有効だと主張しているのです。しかし総務省に解党を届け出たものの、それは認められていません。よって現在、国政政党として、『維新の党』と『おおさか維新の会』が存在します。そしておおさか維新系の傘下の地域政党として『大阪維新の会』が置かれている状態になっています。これが、3つの党の違い、すなわち関係性だと言えるでしょう」(鈴木氏) タテマエでは、大阪維新の会は国政政党・おおさか維新の会の下部組織となっていますが、実態は大阪維新の会の代表・橋下氏、幹事長・松井氏がそれぞれ同時におおさか維新の代表と幹事長を暫定的に兼務しているなど、おおさか維新の中枢は、大阪維新執行部と言っても過言ではありません。ある意味で地域政党が国政政党を抱えている関係なのですが、そもそも、大阪維新のような地域政党の役割と意義とはどんなものなのでしょうか? また彼らが国政に打って出ることの狙いは何なのでしょう。 「国政の立場から縦割りで区切っていく法律や予算では解決できない課題が地域にはあります。それらを解決していく役割を果たすのが地域政党です。地域政党は市民の声をいちばん近いところで吸い上げて、政治に反映させていくのが、存在意義なのです。その意味では、大阪維新の会の都構想は、地域の課題に則した意義のあるものだと言えるでしょう」(鈴木氏)