火葬場で遺体撮影の写真を知人と共有、20代市職員再び処分 新たな漏えいや虚偽報告発覚 滋賀県湖南市
滋賀県湖南市職員が市浄苑(火葬場)で遺体を撮影し写真を知人と共有した不祥事で、市は25日、新たな漏えい行為や虚偽報告があったとして、当時環境政策課だった20代男性職員を改めて停職(6カ月)の懲戒処分にした。同じ事案で新たな事実が判明したとして同一職員を再び処分するのは極めて異例。市は「最初の調査で十分事実を聞き出せず、調査が甘かった」と認めている。 【写真】遺体スマホ撮影発覚時の最初の報道 市によると、職員は、発表された2人以外の知人にも遺体の写真を送付した▽この知人への送信について、市の調査に意図的に話さなかった▽削除済みと説明した写真が職員のスマートフォンに残っていたにもかかわらず報告を怠った-などの違反行為をしていた。甲賀署が地方公務員法(秘密漏えい)違反で捜査して判明したという。 市の説明では、職員が同法違反により甲賀簡裁で罰金30万円の略式命令を受けたのを機に、改めて聴き取りした。市は「同じ行為で2度の処分はできないが、新たな事実が発覚したので処分した。調査は十分尽くしたつもりだが結果的に甘かった」としている。 この不祥事を巡っては、市は5月31日の記者発表で遺族の意向を理由に「市浄苑で遺体撮影」という事実を隠蔽(いんぺい)したが、今回、遺族の要望は「故人が特定されないようにしてほしい」だったことも判明。市は「浄苑という特殊な場所で事実を推測できる可能性があった。ご遺族への忖度(そんたく)ととられても仕方ない」と釈明した。 同不祥事では、職員が今年1月、市浄苑で火葬中の遺体を撮影し、知人と写真を共有したとして減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を受けた。その後、撮影された遺体とは違う遺族に市が謝罪したことが判明している。