外国人観光客が食べたい日本食は寿司ではなく「麺」 爆買い減少の裏事情も…インバウンド客のリアル実態
■“爆買い”は減少して――
また、券売機やオーダー用紙などの表記は、日英中韓の4か国語にするなど、企業努力が功を奏した面もあるようだ。 では、かように日本での食事を楽しんだインバウンド客は、おみやげに何を買って帰るのだろうか。 「日本みやげ」で想起するのが、中国人観光客による「爆買い」だろう。家電や薬品などを大量に買い込むさまが、一時、話題になった。しかし、実際に浅草のドラッグストアで話を聞いたところ、仰天の証言が。 「インバウンドのお客さんもよくお越しになりますが、普通に頭痛薬や化粧品を買っていかれるだけで、最近は特に“爆買い”なさることはありません」 中国人の旅行会社経営者が、裏事情をこう説明する。 「日本製品をまとめ買いする代行業者がたくさん生まれて、以前のように中国人が買い出しに来る必要がなくなったんです」 また近年、中国政府は団体ツアー客の出国を厳しくし、一方で日本政府も旅行代理店経由で納税証明を求めるようになったことから、納税していない高齢者や、低所得者は入国ビザを取得できなくなったという事情もあるという。 「そのため今、来日する中国人は、中間層から富裕層。ツアーではなく個人旅行が増えました」(前同) かつては東京、京都、富士山などに集中していた訪問先も、変化している。 「先日、私が案内したお客さんは、何度も日本に来ているので、今回は通訳と運転手を雇って、長野県を回りました。食事するところも、それぞれの土地で、それなりの店に行きます」(同) さらに、こんな買い物も。 「不動産の下見をする人も多いです。中国政府の締めつけに嫌気が差し、日本に移住することも考えているようですね」(同) 国が違えば事情も違う、インバウンド観光客。上手に付き合えば、日本にとって大きなビジネスチャンスになるのかもしれない。
ピンズバNEWS編集部