次回の米追加利上げは5月? それとも6月? 5月の可能性を探る
3月連邦公開市場委員会(FOMC、3/15)まで残り1カ月を切りました。3月10日発表の2月雇用統計を入手していない現時点では、追加利上げ見送りが市場関係者のコンセンサスです。そうしたなかで、市場関係者の注目は次回の追加利上げ時期に集中しています。 市場関係者の(おそらく多く)は6月FOMCと12月FOMCの2回の追加利上げを想定していますが、次回の追加利上げが5月FOMCとなる可能性も否定できず、その点において3月FOMCは非常に重要なイベントになります。筆者個人の予想は、3月FOMCは「追加利上げ見送り+次回利上げの明確な示唆」です。その“次回”が5月となるか6月となるかは微妙なところですが、2月雇用統計で平均時給が回復すれば、5月の追加利上げをメインシナリオにする予定です。(解説:第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一)
次回の利上げ、5月の可能性は?
2月17日時点で金利先物が織り込む3月FOMCの利上げ確率は34.0%、5月FOMCのそれは55.9%、6月FOMCのそれは74.8%です(現在の金利先物の値から逆算して市場参加者の予想を数値化したもの)。 この織り込み度合いから判断すると、市場にサプライズを与えることを嫌う連邦準備制度理事会(FRB)が3月FOMCで追加利上げを断行するとは考えにくいですが、一方で6月の追加利上げに関しては十分過ぎるほど織り込みが進んでおり、逆に“動かない”ことが市場とのコミュニケーションを難しくさせる可能性すらあります。 ここで悩ましいのは5月シナリオです。すでにまずまずの織り込みが進んでいるので、FRBとしてはこの好機を利用して追加利上げをしたいところでしょう。 しかしながら、5月FOMCは記者会見が予定されていないことがネックとなります。年8回予定されているFOMCは、3・6・9・12月に記者会見が組み込まれている一方、その他のFOMCは声明文のみ発表なので、重要な政策変更は記者会見ありのFOMCで行うことが通例です。(解説:第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一)