EUも27年10月に「T+1」移行を、米と足並み ーESMA勧告
(ブルームバーグ): 欧州証券市場監督機構(ESMA)は18日、米国と足並みをそろえ、証券取引の決済期間を2日から1日に短縮し、決済日を約定日(トレードデート)の翌日とする「T+1」方式に移行するよう勧告した。
発表された声明によると、ESMAは2027年10月11日の移行を呼びかけている。米国、カナダなどは5月下旬に移行済みで、英国も2027年10-12月(第4四半期)の移行を予定している。
欧州の株式や債券は現在、米国などよりも遅れて決済されており、一部の投資家にとってはコストを伴うズレが生じている。ESMAの勧告は依然として政治的な承認を必要とするが、決済期間短縮の必要性に関するコンセンサスは広がりを見せており、先月には欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)が移行の切迫性に関する声明に共同署名した。
ESMAは声明で「リスク低減や証拠金の節減、他国・地域との決済期間の違いに起因するコストの削減といったT+1の影響は、欧州連合(EU)の資本市場にとって重要な利益をもたらすだろう」と指摘した。
米国と欧州市場の決済期間にずれがあることで、複数の国・地域にまたがるポートフォリオを抱える投資家にとっては資金調達ギャップが生じている。9月に公表されたシティグループの調査によると、バイサイドの回答者の46%がT+1とT+2の決済プロセスにおいて「著しい」資金不足を補う必要があったことが分かった。
原題:ESMA Recommends EU Follows US Move to T+1 in October 2027(抜粋)
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Greg Ritchie