スターシップの空中キャッチ、「中止寸前だった」–マスク氏明かす
Space Exploration Technologies(SpacerX、スペースX)を率いるElon Musk(イーロン・マスク)氏は「Starship」(スターシップ)のブースターの空中キャッチが「中止寸前だった」とX(旧Twitter)に投稿している。 SpaceXは米国時間10月13日、Starshipの統合飛行試験(Integrated Flight Test:IFT)の5回目(IFT-5)となる通称「Flight 5」を実施。打ち上げから7分後に降下してきた第1段エンジン(ブースター)である「Super Heavy」(スーパーヘビー)を「箸」のようなアームで空中でキャッチするのに成功した。 Musk氏はXにビデオゲームの動画を投稿。投稿された動画の音声はゲームのものではなく、人間の会話が収録されていた。その中で、とある人物がSuper Heavyの着陸時の様子を語っている。それによると、パラメーターの設定ミスから「Raptor」(ラプター)エンジンのスピン圧力が予想どおりに増加しなかったとしている。 「あと1秒でロケットが引っかかり、中止して発射棟の横の地面に墜落させるように指示するところだった」と、動画の音声は述べている。ブースターの垂直構造であるチャインのカバーが、機体が遷音速になった時に外れてしまったとしている。 SpaceXは現在、Starshipの次回の飛行試験「Flight 6」の準備を進めている。Musk氏はXで「Flight 6はもうすぐだ!」とXに投稿。2025年の早い時期に、Starshipの上段のキャッチも予定している。
塚本直樹