「無医地区」の郵便局に診療所開設へ 山口・周南、全国で初
山口県周南市は20日、医療機関のない和田地区で郵便局を活用した診療を7月から始めると発表した。局内に診療所を設け、医師が巡回して診察したり、パソコンを使ってオンラインで診療したりする。日本郵便によると、郵便局での診療所開設は全国で初めて。 診療が行われるのは和田地区の高瀬郵便局。局内の高齢者向け相談スペースを「和田巡回診療所」と名付け、原則として毎月第3火曜日を対面診療に、その他の火曜日を予約制のオンライン診療にあてる。処方薬は市内の13薬局が後日、患者宅に配送。診療後にオンラインで服薬指導もする。 市によると、市内に「無医地区」は他に5カ所あるが、いずれも旧診療所の施設などを使い、巡回診療が行われている。和田地区にはこうした施設がなく、自治体との事業拡大を進める日本郵便の協力を得て実現した。オンライン診療の際のパソコン機器の接続などは局員がサポートするという。 巡回する医師は鹿野診療所に勤務する長沼恵滋医師で、2016年2月まで和田地区で開業していた長沼医院の院長の孫。(三沢敦)
朝日新聞社