「かすみ目」の陰に隠れている3つの重大病…放置すると失明リスク【一生見える目をつくる】
【一生見える目をつくる】#43 文字や写真などを見ようとした時、ぼやけたり、かすんだように見えるのは、「かすみ目」に多い症状です。かすみ目と老眼の違いは、かすみ目は調子によって見えたり見えなかったりを繰り返しますが、老眼は老眼鏡を使うかメガネの度数を変えないと見えるようにはなりません。加齢のほかに、若い世代でもドライアイや、目の疲れ、そしてコンタクトレンズの使用が原因で起こります。 現在の医学では治らない…尾藤イサオさん加齢黄斑変性症を語る コンタクトレンズを使用することで、かすみ目がなぜ起きるのか。涙がコンタクトレンズに吸い取られて蒸発してしまい、そのせいで目が乾燥してくることが原因のひとつ。 コンタクトレンズに付着した汚れもかすみ目の原因となります。そんな時は、1dayタイプなら新しいものに取り換える、2週間タイプなら1度はずして洗浄ケアをしてみてください。そのまま装着を続けるとかすみ目もひどくなりますので、コンタクトレンズを使用している方は半年に1度は眼科で検診を受けるようにしてください。 というのも、コンタクトレンズの汚れが、アレルギー性結膜炎など目の炎症によって起こっていることもあるからです。 中高年の患者さんの中には、たとえ目がかすんでも「年齢的に白内障だろう。そのうち手術するから、いまは放っておいてもいいのでは」と思い込んでしまう人も。 たしかに白内障が原因での目のかすみはあります。が、思い込んで放置してしまう前に眼科を受診してみてください。なぜなら、かすみ目にはときに大きな目の病気が隠れていることもあるからです。 かすみ目が現れる大きな目の病気は3つ。まず緑内障があります。日本では失明原因のトップで、早期発見が何より大切な目の病気です。早く治療を始めることで、生涯にわたって生活に必要な視力を維持することができます。 次に糖尿病性網膜症という目の病気で、糖尿病の状態が長期間続くことで引き起こされる合併症のひとつです。糖尿病性網膜症の場合は、かすみ目の症状のひとつである「飛蚊症」が現れる。目の前の虫や糸くずのようなものの数が突然多くなったら、糖尿病性網膜症が疑われますのですぐに眼科へ。 そして、加齢黄斑変性も目がかすむ症状が出ます。目の網膜の黄斑と呼ばれる中心部に障害が生じることで、視野の中央部がゆがんだり、かすんだりする病気。加齢が原因で、50歳以上の方に多い病気です。進行すると、視野の中央部が暗くなったり、見えなくなることがあるので、早い発見が重要となります。 決して脅かすわけではありませんが、かすみ目には重大病が隠れている可能性もあります。「かすみ目が続く」「以前のかすみ方と変わってきた」などの自覚があるならば、素人判断や放置は禁物です。 (荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)