東チタ、24年スポンジチタン輸出価格10%上げで決着。航空機向け需要拡大
東邦チタニウムが米国の大手展伸材メーカーなどと進めていたスポンジチタンの2024年輸出価格交渉は引き上げで決着した。上げ幅はドル建てで前年比10%程度。スポンジチタンはシェアの大きいロシア材の代替需要が増えており、世界的に需給タイトな状況が続いている。数量確保を優先する需要家側が値上げを受け入れた格好だ。 値上げは3年連続。スポンジチタンの輸出は航空機向けが大半を占めている。特に航空機エンジン向けは日本を含め世界で数社しか製造できず、スポンジチタン価格に上昇圧力が強まっている。 ただ急激な価格上昇は市場の混乱を招きかねないことから、東チタは「適正水準まで段階的に引き上げたい」(担当者)考え。今後は輸出価格のもう一段の引き上げを目指す。 東チタは国内向けの23年度スポンジチタンの未決着分については、販売先となる国内の高炉など鉄鋼大手と交渉を継続している。