飲み会が苦痛、プレゼン苦手...生きづらかった「内向型」の人が自分を好きになれたきっかけ
現代社会では、外向型の性格の人が優位とされる傾向が強く、内向型の人は生きづらさを感じることが多いのが現状です。 【書影】生きづらさから解放する『世界一やさしい内向型の教科書』 今年5月に『世界一やさしい内向型の教科書』(世界文化社)を出版した井上ゆかりさんも内向型で、モヤモヤを抱えてきた一人。今は内向型カウンセラーとしてご活躍されていますが、内向型ならではの悩みをどのように克服できたのでしょうか。井上さんは、まず自分が内向型であることを受容することが大切だと語ります。詳しく教えていただきました。
内向型と外向型の違い
内向型と外向型で最も違う点は、時間の使い方のバランスです。内向型は静かな人ではなく"静かな時間を求める人"。対して外向型の人は、"賑やかな時間を求める人"と私は定義しています。 分かりやすく例を挙げるなら、「ひどく疲れた時や落ち込んだ時に、どういう過ごし方をするのが好きか」という質問に対して、外向型は誰かとワイワイ過ごしたり、アクティブにストレス発散することを思い浮かべます。逆に、そのようなシチュエーションで内向型は、1人きりで特に何かするわけでもなく家や落ち着ける場所で過ごしたいと感じます。 内向型は「静かな時間がないと無理」というような必然性の高さが特徴です。 静かな時間というのは、1人行動という意味に限定されません。心を許した信頼できる相手と過ごすことも静かな時間のうちに入ります。 そのため、どんな人と繋がっていたいのか、誰と一緒にいる時間が作れたら嬉しいのか、1人や2人だけでも十分なので考えておくと良いと思います。それはオンライン上の繋がりだって良いのです。それぞれが心地よく感じる「静かな時間」を過ごせることが大切です。
外向型が優位の社会
現状、外向型が良しとされる風潮が世の中では一般的ではないでしょうか。子どもの頃から私たちは学校で「常に元気で明るく、みんな仲良し」であることが良いと教えられます。社会人になってからは、職場で会議やプレゼンの受け答えの速さが求められたり、交流を深めるための飲み会などへの参加も余儀なくされます。 外向型=優秀という刷り込みが、内向型の人の「もっと変わらなきゃ」という生きづらい感覚を増幅させているように思います。 しかし、外向型優位の社会の変化を待っても、そう簡単には変わらないでしょう。それより自分がどうありたいのか、どういう働き方がしたいのかなど自分の内側に意識を向けて、ご自身なりの生きやすい環境を築いていってください。 最近では、それぞれが抱える"心の問題"や"生きづらさ"にスポットが当たりやすくなってきています。内向型について知ってもらう機会も増えているので、少しずつ理解が広まっていくといいなと願っています。