飲み会が苦痛、プレゼン苦手...生きづらかった「内向型」の人が自分を好きになれたきっかけ
内向型として抱えてきた生きづらさ
私も自分が内向型であることで生きづらさを感じてきました。初めての大きな挫折は、著書でも詳しく書いていますが、学生時代の就職活動でした。「周りの就活生のようにならないと」と無理して外向型になろうとしていました。当時のことは今でも私の中で大きなトピックとして残っています。 それまでの学生生活は、写真を見ても友達に囲まれて楽しそうに見えます。とても恵まれていた反面、友人たちの輪の中にいるときに勝手に後ろめたさを感じていたことも思い出します。自分から何かを話すわけでもなく、仕切り役をするわけでもない自分と一緒にいて、みんな楽しいのだろうかと考えていました。 一対一での会話は、どちらが話すかが分かりやすく、自分のペースで空気感を作れるので良かったのですが、大人数になると自意識過剰になっていました。自分が話しているときに他の人が飽きていないか、私ばかり話しすぎていないか、と考えすぎてしまうのです。友達と解散した後に一人反省会を開くこともしょっちゅうでした。 内向型カウンセラーの活動を始めてからは、自分と向き合う時間が増え、関わる方々のおかげで自分自身の理解がどんどん深まりました。活動を通して、自分の強みや、どういう人間でありたいのかを考え続けることの大切さを実感しました。 不安なときほど答えを出さなければならないと思い込んでいましたが、それは違っていました。生きていく過程で考え続けることこそが、自分への理解を深める手立てだったのです。 また、自己受容ができるようになったことも大きな変化です。「内向型の自分も悪くない」と自分の内面を受け入れることで変化に向かっていけると実感しています。
内向型カウンセリングのその後
これまで私にご相談いただいた方の一例を挙げますと、ネガティブな感情に振り回され、同じことで悩み続けていた方がいらっしゃいました。その方はカウンセリングを通じて客観的に感情を受け止められるようになり、気づけば自分で心をケアできるようになっていました。 また、私の過去の本を読んで働き方を変えたいとご相談に来てくださった方は、働き方を見直す中で副業を始めて会社員もお辞めになった後、じつは私と一緒に仕事をしてくれているんです。その方の変化の過程を見てきたのですが、今はもう助けてもらうような存在です。 <取材,執筆: PHPオンライン編集部・片平奈々子>
井上ゆかり(内向型カウンセラー)