バイデン大統領（ロイター＝共同）

　【ワシントン共同】バイデン米大統領は22日、2024会計年度（23年10月～24年9月）の国防予算の大枠を決める国防権限法案に署名し、同法が成立した。総額は約8860億ドル（約126兆円）。バイデン氏は「将来の紛争を抑止するために必要な軍備を構築する」とした。 　国防権限法は覇権主義的な動きを強める中国をにらみ、インド太平洋地域で抑止力を強化するための基金「太平洋抑止構想」（PDI）に147億ドルを計上した。同盟・友好国との合同演習を通じて米軍の能力増強を図る。米英豪の安全保障枠組みAUKUS（オーカス）を巡り、オーストラリアへの最終的な原子力潜水艦売却も承認した。 　また台湾軍に対する包括的な訓練や助言、能力構築プログラムの提供を促した。中国によるサイバー攻撃や世論工作などの活動を念頭に、台湾のサイバー防衛への関与を要請した。 　ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援では、軍需産業から兵器を購入する「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ（USAI）」の26年末までの延長を認めた。