「切断された指が見つかっていない」 ヤクザ界でも前代未聞“指詰め”で逮捕された弘道会若頭
国民健康保険が適用外
ヤクザの象徴のひとつが「指詰め」だが、構成員の減少や昔ながらの習わしの風化などで、その行為は今や映画などの世界に限られると見られていた。ところが最近、その「指詰め」を巡って逮捕者が出るという珍しい事態が発生した。6代目山口組の最中核組織の幹部が「指詰め」をし、国民健康保険が適用外にもかかわらず適用を受け、支払いを免れたとして詐欺容疑で逮捕されたのだ。保険金を得るためにわざとケガをする、あるいは他人を殺害するという詐欺は珍しくないが、今回はわざわざ自分でケガをして病院に行って支払いをしなかったことが詐欺とされたことになる。なぜ幹部はこんなことをしたのか。 【独占入手】ニンマリとした表情が印象的な司組長。2024年1月25日の誕生日会でナンバー2、3ら執行部の面々と共に
「自ら指を切断したにもかかわらず、国民健康保険制度が適用される負傷の範囲内であると医療機関を信用させて医療費の支払いを免れたとして、岐阜県警組織犯罪対策課と岐阜中署は10日までに、詐欺の疑いで、6代目山口組3代目弘道会の野内正博若頭(野内組組長/本部:岐阜市)ら男3人を逮捕しました。この類の案件での逮捕は全国初だとされています」 と、担当記者。
狙われた野内組トップの“身柄”
指詰めなど故意の負傷の場合には国民健康保険制度は適用外となる。 野内若頭と同時に逮捕されたのは、3代目弘道会の小澤達夫若頭補佐と、野内若頭の秘書役である宇野誠哉・豊田組(野内組傘下)幹部。 「野内若頭と宇野幹部は他人名義のETCカードを使って高速道路を通行し料金の割引を受けたとして、9月18日、岐阜県警に詐欺容疑で逮捕されました。その後、岐阜地検は処分保留と判断しています」(同) 弘道会は初代会長が司忍6代目山口組組長、2代目が高山清司同若頭、3代目が竹内照明同若頭補佐であり、言うまでもなく6代目山口組の最中核組織だ。その3代目弘道会をど真ん中で支えているのが10代目稲葉地一家、3代目高山組、そして野内組という構図になる。ちなみに、10代目稲葉地一家の松山猛総長は9月、タレント・羽賀研二の事件に絡み差し押さえを逃れるため虚偽の登記をしたなどの疑いを持たれて愛知県警に逮捕された。今回の「指詰め」詐欺事件の背景には、この構図が関係しているという。