尿酸値が高い人は認知症になりにくい⁉…「高尿酸血症」の人への知られざる「恩恵」
尿酸値と発がんの関係性
ただし尿酸値が高過ぎると、心臓病や脳卒中のリスクが上がり、結果として認知症のリスクも上がります。だから高過ぎるのも良くないのです。痛風発作や尿路結石を起こさない程度に、ほどほどに高いのが理想的、と言えそうです。 それとは別に、かなり以前から、尿酸値が高い人は、がんになりにくいと言われていました。がんも細胞や遺伝子の錆(酸化)が原因のひとつだからです。また尿酸のがん予防効果を示唆する研究結果も報告されています。しかし最近は、尿酸値と発がんは無関係とする研究結果もありますし、むしろがんに罹りやすいという結果も出ています。 こうした研究は、世界中の医学者のコンセンサスが得られるまでに、相当の時間を要するので、いまは何とも言えません。しかし仮に、認知症だけでなく、がんにもなりにくいことが広く認められれば、高尿酸血症のひとにとっては大きな朗報となること、間違いありません。 『健康診断での「視力検査」…どんな基準から「視力1.0」と言っているか、あなたは知っていますか? 』へ続く
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)