「世界が無音になる」 Mー1王者も恐れる、漫才で「滑った」ときのあの感覚 ノンスタ石田×ギャロップ林の“同期対談”
賞レース優勝(「M-1グランプリ 2008」優勝、「THE SECOND」初代王者)という共通点があり、同期の間柄でもあるNON STYLE石田明さんとギャロップ林健さん。石田さんが刊行した著書『答え合わせ』の刊行記念として、2人の対談が実現した。石田さんは今年のM-1審査員にも決定している。 【写真で見る】NON STYLE石田明さん、ギャロップ林健さん 「中堅漫才師としてのモチベーション」「老害問題」「M-1の展望」など、お笑いファンはもちろん、同世代の人たちの生きるヒントとなるようなテーマを語る(全2回。今回は1回目)。
■40代漫才師のモチベーションとは? 石田:林はTHE SECONDで優勝したけど、その前のモチベーションを教えてほしい。M-1が(結成15年経って出場資格がなくなり)終わってからのネタを書くことの意味みたいな。M-1終わったら、だいたいみんな緩めるやん。 林:そう、緩める人ばっかりやと思うよ。 石田:THE SECONDが生まれたから、みんなもう1回締め直してるけど、基本は緩めるやろ? 林は緩まなかったん?
林:いや、ちょっとは緩んでたと思うよ。でも、やることが他になくてね。石田もそうやと思うけど、俺らそんなに「テレビテレビ」してないし、決して得意でもない。特にひな壇なんて好きじゃない。テレビに呼ばれても、「これどうしよう、今1個しゃべれました。もうこれで給料泥棒とは言わんといてくださいね」みたいなタイプやから。 石田:もっとグイグイ行きそうやのに。 林:うん、ちょっと前なら違ったかもしれんけどね。
そうなると「マラソン大会があるわけじゃないけど、毎朝走る人」みたいな感覚に近いよね。ただ全然ペースは緩い。みんなが「書くのやめた」みたいになってるなかで、「また新ネタやってるやん」とか言われたけど、年に4本とかやからね。 石田:でも、それがまあまあのクオリティで作れてたやんか。 林:観た人がそう言ってくれたりもしたけど、当然4本中4本よかったわけじゃなくて、挫折した何本かもあるし、「これネタですか?」みたいなやつもあったしね。