日本屈指のJ2ウォッチャー・平畠啓史がオススメする2024シーズンJ2の注目選手5人
【清水はユース出身の選手に活躍してほしい】 千葉寛汰(清水エスパルス/FW) 千葉寛汰選手は、去年徳島ヴォルティスでスタートして、シーズン途中でFC今治に移籍しました。徳島では点が取れなかったんですが、今治ではハーフシーズンで7点取っています。 点を取る時のスムーズさ、点を取るためのポジショニングを逆算できる。ここにいたらゴールできるというところにポジショニングできますね。ボールが来た時のシュートの落ち着きもあります。 佐藤寿人さんの系譜。点を取るために何をやるか。それができる選手ってなかなかいない。たぶん教えてできるもんじゃなくて、自分で子どものころからやっているなかで掴み取ったものなんじゃないかなと。 今シーズンの清水で言うと、ユース出身のFW北川航也選手がキャプテンになって、FW川本梨誉選手、MF成岡輝瑠選手ら、ユース出身の選手が期限付き移籍から帰ってきています。 清水のお客さんたちが何をしたら喜ぶかわかっている選手たち、やっぱりユース出身の選手に活躍してほしい。そして今年は彼ら若い選手にすごいチャンスがあるんじゃないかと思っています。 清水ってサッカー王国ってプライドがありますよね、だからサポーターは1年でも早くJ1に上がってほしい気持ちがあると思います。それは監督も選手もクラブも感じてそういうふうになっていくと思うんです。 もちろんサッカー王国としてそういうプライドも大事だと思うんですが、でも自分たちの街で育った選手が自分たちのチームを強くしていくこと、それこそが僕はサッカー王国だと思うんですよ。 一般の方のサッカーへの理解とか、自分たちの土壌からいい選手が生まれてくることこそがサッカー王国なんじゃないかなと。それはJ1に上がるための近道ではないかもしれないけど、サッカー王国という太い幹を作るのであれば、やっぱりユース育ちがチームの中心になっていくようなやり方がひとつあるんじゃないか。 外国籍選手がいても、ユース育ちの選手が絶対ポジションを掴むような勢いを出してほしい。それはエスパルスというクラブがステップアップしていくためにも大事なことだと思うし、今、ジュニアユースやユースでプレーしている選手たちにとってもすごく刺激になると思います。 平畠啓史 ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。
池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
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