日本屈指のJ2ウォッチャー・平畠啓史がオススメする2024シーズンJ2の注目選手5人
【得点パターンがすごく多い】 小松蓮(ブラウブリッツ秋田/FW) 小松蓮選手は、昨シーズンは松本山雅FCで19点を取って、J3の得点王になっています。松本のアカデミー出身ですからクラブへの思い入れも強いと思うんですが、それでも移籍すると決めたのは相当な覚悟でしょう。だから、どんな働きを見せてくれるのか楽しみです。 ブラウブリッツ秋田って吉田謙監督ですから、全員がハードワークして守備をしてからダイレクトにゴールに向かっていくサッカーをこれまでは見せていました。しかし、そういうサッカーのなかで小松選手がフィットするのか。逆に小松選手がいることで、チームのサッカーの内容も変わってきたりするのか。 秋田のすごいところって、どんな選手が入ってもシーズン終盤には秋田っぽくなっていくところ。小松選手が秋田色になっても面白いし、秋田のなかではちょっと異色の選手として浮いている感じでも面白いなと。そこの色の染まり具合は、どっちの色に染まっていくのか見ていきたい。小松選手が秋田のサッカーの色を変える可能性もあるのかなと。 小松選手は得点パターンがすごく多い。自分の型で点を取りますというのではなく、いろんな形で点を取れる。いいFWが来たことで、秋田にどんな変化が起きるのかと注目しています。 小松選手も今回の移籍が初めてではないので、成功や失敗もいろいろ経験してきていると思います。そのなかでどうやったらパスが出てくるようになるとかを体験しているのは大きい。あとは松本のサポーターも小松選手がどれだけやれるか注目していると思うので、頑張ってほしいですね。
【サッカーの面白さを体現できる選手】 梶川諒太(藤枝MYFC/MF) 梶川諒太選手は、体は大きくはないですがテクニシャンです。去年は右足前十字靭帯をケガして長期離脱となり、シーズン終盤には戻ってこられました。 何回か移籍はしていますが、長らく苦しい時の東京ヴェルディを支えていた選手ですよね。去年ケガがなかったらもっとチームの中心としてプレーしていたと思うんですが、その出られない時期にチームがどんどん上に行って、プレーオフに行って、昇格した。 だからこそJ1の東京Vでプレーしたかったと思うんですが、移籍を決断しました。相当残念な気持ちもあるだろうし、だからこそ今シーズンにかける気持ちもあると思う。 藤枝MYFCのサッカーは梶川選手に合うと思うんですよ。ボールを大事にして、須藤大輔監督が「エンターテイメントサッカー」とおっしゃってます。そのエンターテイメント性のなかに梶川選手の技術力が生きるんじゃないかなと。 本人も年齢を重ねていくなかでバランスを取るプレーが増えていったのかなと思いますが、もともとある攻撃性が藤枝でうまく発揮できたら面白くなる。そんな梶川選手のキャリアを含めて興味があります。 東京Vのアカデミー出身じゃないんですが、なぜかヴェルディっぽい。フェイントであったり、相手の逆を取ったり、サッカーの面白さを体現できる選手です。藤枝はお客さんに来てもらうためにサッカーの面白さを追求しているチームで、それを表現できる梶川選手が入ったことは大きい。 あとは、小さい選手が大きい選手を翻弄していく楽しさってあるじゃないですか。サッカーどころの藤枝の人たちが見ても、梶川選手の魅力が伝わるんじゃないかと思っています。
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