谷口彰悟が語ったセンターバックとしての覚悟「何度でも復活できるし、何度でも立ち上がれる」
【あきらめたらサッカー選手を辞める時】 センターバックである自分の仕事は、チームがどうすれば失点しないか、そのためにどうやって守っていくか。戦う姿勢を示しつつ、それを体現していくことだと思っている。 相手に絶対にやらせない、次は絶対に防いでやる。こいつには負けたくない、やらせたくない。そういった思いがあるうちは、何度でも復活できるし、何度でも立ち上がれる。その思いを今後も持ち続けていきたいし、大切にしていきたいとも思う。 簡単に自分をあきらめないし、あきらめたくない。それがなくなったら、おそらくそれはサッカー選手を辞める時だろう。 だから同じように、今後の試合で相手FWに抜け出されたとしても、次も全力で追いかけるだろう。DFの裏に抜け出されたらあきらめます、ファウルするのが怖いから追いかけません、といったDFには絶対になりたくない。 そうしたプレーヤーとしての誇り、センターバックとしての覚悟を再認識した機会でもあった。 少し時間をさかのぼると、ワールドカップ最終予選が始まった9月、シント・トロイデンは監督交代を発表した。日本代表の活動期間中にそのニュースを知った自分がベルギーに戻ると、チームは新体制でスタートしていた。 フェリックス・マズー監督は、ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズを指揮していた時にマチ(町田浩樹)や(三笘)薫も指導を受けたことがあり、日本代表の活動期間中に人柄や指導方法について情報をもらった。 個人的にマズー監督が就任して変わったのは、ポジションが3バックの左から、日本代表と同じ中央に変わったことだ。真ん中でプレーしたほうが、守備範囲を広くカバーできる自分のプレースタイルがより生かせると感じている。 その特徴を理解してくれていたからか、マズー監督はチームに合流した初日に「私はお前を3バックの真ん中で起用しようと思っている」と言ってくれた。 そのほうが自分も、チームメイトも生かせると感じていた僕は、「自分もそう思っていました」とだけ答えた。 その言葉だけで、自分に求められている役割やプレーも理解することができた。