草彅剛、三谷幸喜のほかにも……香取慎吾が最も影響を受けたのは“あの名優”だった!
――年齢や経験を重ねたいまだからこそ、改めて気付かされた影響なのかもしれませんね。 香取 そうかもしれない。僕は大前提として、生きるって必ずしも年齢が物差しではないと思っているふしもあるんですが、やっぱり経験値というのは歳を重ねないと増えていかないものだし。
過去を振り返りたくなくて「これまでの 明日を振り返ってみた」という歌詞に行き着いた
――ニューアルバム『Circus Funk』を昨年11月にリリースされたばかりですが、音楽についてはどうでしょうか? 香取 やっぱりありますね。僕、過去を振り返るのが嫌いなんですよ。“明日を生きる”という感じのテーマでいまこの瞬間を生きてきたつもりだし、それじゃ足りなくて“明日を生きるぞ”と言ってきたくらいで。 今回、アルバムに収録された「Not Too Good Not Too Bad(feat. Yaffle)」という曲では、一緒に曲を作ったYaffleくんと歌詞を揉んでいくうちに、「振り返る」という言葉にぶつかった。でも、「やっぱり、これは僕ちょっと言いたくないな」と言って、さらにやり取りを重ねていった。すると、「これまでの 明日を振り返ってみた」という歌詞に行き着いて。我ながらとても気に入っています。 言いたくないことは言わないけど、お芝居でも、音楽でも、時には経験が自ずと滲み出てくるような場面があるんですね。 ――最後に、改めて今回のドラマの抱負をお聞かせください。 香取 “ニセモノホームドラマ”みたいな入り口ですが、いざ蓋を開けてみると、「え、こんな内容だったの!?」と思ってもらえるんじゃないでしょうか。演じている真っ最中の僕自身も、日々、「え、そうだったの!?」と騙されているくらい。いま、このタイミングで、こんな面白い役に出会えて楽しいです。 社会と、家族と、どう向き合うのか。この国で生きている誰しもが気にせざるを得ないテーマが詰まっていると思うので、期待していただけたらうれしいです。ぜひご覧ください! 撮影 杉山拓也/文藝春秋 ヘアメイク 石崎達也 スタイリスト 黒澤彰乃
内田 正樹