どの世代が好き? 歴代フォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk1~Mk8)を振り返る 世界的人気モデル、誕生50周年
さらに走りに磨きをかけた第5~6世代
2004年に登場した第5世代ゴルフは、ライバルとして手強いフォード・フォーカスに影響されたサスペンション・セットアップのおかげで、刺激的なダイナミクスを取り戻すことができた。 中でもGTIは、第4世代の快適性と洗練性を、初代や第2世代のエンターテイメント性と融合させ、歴代最高の1台である。2005年1月の弊誌テストでは4.5つ星を獲得したが、操作感の向上が望まれる結果となった。 R32も導入されたが、先代モデルに比べてややのんびりした性格のため、GTIよりも高い価格に見合うものかどうかは難しいところであった。 2008年に登場した第6世代は、第5世代のPQプラットフォームを強化して洗練性を高めており、実質的にはフェイスリフトと言える。3.2L VR6は廃止され、代わりにGTIの2.0L 4気筒ターボをアップグレードしたゴルフRが誕生した。
「傑作」から「失速」へ 第7~8世代
2013年に登場した第7世代は、ゴルフの系譜における最高峰と言っても過言ではない。現在では一般的となったMQBプラットフォームを最初に採用したモデルであり、ダイナミクスに磨きをかけるとともに、人間工学と製造品質、質感の新たなベンチマークを打ち立てた。 「世界最高のハッチバックがさらに進化した」と弊誌記者は書いた。第7世代ゴルフは600万台以上が生産され、第2世代以来で最も売れた世代となっている。 この大成功は、新型が後を追うのに苦労するほどだった。2019年11月に発売された第8世代ゴルフは、フォルクスワーゲンの "デジタル革命" の幕開けとなるはずだったが、車載ソフトウェアの不具合と世界的なパンデミックによって失速。勢いを取り戻すべく、早期の大幅改良に迫られた。 「第8.5世代」とも呼ばれる改良新型ゴルフは今年後半に発売される予定だ。最新のインフォテインメント・システムを導入し、物理ボタンを復活させるなどインテリアデザインの改善を図っている。 今後の展開については、第9世代がシリーズ初のEV専用モデルとなる予定だ。先進的なSSPプラットフォームを採用し、2028年の発売が見込まれる。
チャーリー・マーティン(執筆) 林汰久也(翻訳)